狂人島【オワリの始まり編】 (ページ45)

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終ページ45

腕にずっしりとのしかかる重み。

ニノの金髪が風に揺れる。

翔ちゃんの服もパタパタと風に煽られている。

波の音が聞こえる。

ヘリコプターの音も近くで聞こえる。

だけど、何故かとても静かだ。

終わった。

何もかも終わった。

俺はひとりぼっちだ。

ゆらゆらと揺れる赤い羽根が、顔の前を通った。

ニノの色白の腕に止まり、羽根を揺らす。

翔ちゃんの白いTシャツにも、赤い花が咲いていた。

ピリッと走る痛み。

ニノを抱く腕が痺れるように熱い。

俺は、砂の上にそっとニノを寝かせた。

帰らなきゃ・・・

言うことを聞かない体を、なんとか立ち上がらせた。

頭がクラクラする。

太陽の熱で身体が焼けるように熱い。

このまま意識を失ってしまいたい。

だけど、そんなわけにはいかない。

親友の最後の言葉を背負って、俺は絶対に生きて帰らなければいけないんだ。

サエ・・

俺は帰るよ。

待ってて・・・

最後に二人の親友の顔を見つめた後、重い足を踏みだし、砂の上に転がる赤い羽根を踏んづけて、俺は砂浜を歩き出した。