狂人島【オワリの始まり編】 (ページ37)

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届け！HELP ① ページ37

日が昇り、辺りはすっかり明るくなった。

透き通るような青空が広がり、気温もだいぶ上がってきた。

少し強めの風が吹いていて、俺達の髪がサラサラとなびく。

濡れていた衣服は、太陽の熱と風のおかげでカラカラに乾いていた。

俺とニノは、手分けをして大量の枝木と大きめの石を集めた。

二人で砂を靴で擦っていき、砂浜に大きく『HELP』と書いた。

そして、その字の上に集めた枝木を置き、更に周りを大きめの石で囲って文字が目立つようにした。

枝木と石で作ったHELPの文字。

コレをヘリが見つけてくれることを願った。

予想以上の重労働に汗をかいた俺達は、誰も見ていないことをいいことに、服を全て脱ぎ捨て、素っ裸で海に浸かった。

そして、海から上がった後は、素っ裸のまま風に当たり、乾くのを待った。

大きな岩に掛けておいた服を取り、身に纏うと、その場に腰を下ろし、お互いに残り少ないペットボトルの水をチビチビと飲んだ。

二人して、はあ…と大きく息を吐く。

和「あとは、コレを発見してもらえるまでおとなしく待つしかないね」

雅「うん…誰か見つけてくれるといいけど…」

和「きっと、見つけてくれるよ」

ニノは、まだ濡れている黒髪が目立つ金髪を、前からワイルドにかき上げた。

そして、遠い空を見つめた。

俺もつられて遠い空を見つめる。

どこまでも続くあの空の向こうへ、どうか俺達の思いが届くようにと願った。