約束�� ページ36
＿______
サエ・・・
和「…サエちゃん、心配してるだろうね」
ニノがボソッと呟いた。
雅「…うん。俺このままサエに会えないのかな…？」
和「…そんなこと言うなよな」
雅「はぁ…このまま、サエと1回もえっち出来ないなんて、俺ヤダよぉ…(泣)」
嘆きながら、砂のついた両膝を抱えた。
和「はあ〜？おまえ、まだヤッてなかったのかよぉ」
雅「だって…慎重にいきたかったんだもん…」
和「高校生かよ…」
ニノは呆れたような目で俺を見た後、左手で砂をグッと掴んで、前に向かってパサッと投げた。
和「…じゃあ、帰ったらすぐ抱いてあげなよ」
雅「え…？」
和「…サエちゃんだって、待ってんだろうからさ」
雅「ニノ…」
和「…帰ろうよ。一緒に」
ニノが真剣な表情で俺の方を向いた。
和「俺達だけでも、生きて帰ろうよ。絶対に」
雅「ニノっ…」
和「智やJや翔ちゃんの為にも、俺達が生きて帰って、やらなきゃいけないことが沢山あるんだよ」
雅「うんっ…そうだよねっっ…」
ニノが、俺の手を両手で包むように握った。
和「雅紀、一緒に帰ろう。約束だよ」
ニノが真っ直ぐに俺を見つめる。
ニノの言葉が嬉しかった。
枯れ果てたと思っていた涙が再び溢れ、俺の手を握るニノの手を握り、その手に額をくっつけた。
一緒に帰ろうっ・・・ニノ。
生きて帰ろう・・・必ず。
心の中でそう誓った。
そんな俺達を照らすように、水平線から朝日が差し込んできた。
和「あ…」
雅「明けたね…」
俺達は目を細めながら、眩しい光を見つめた。
輝くように海に反射するその光が、希望の光のように見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2021年2月6日 0時
