狂人島【オワリの始まり編】 (ページ35)

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約束② ページ35

その後、俺達は、魂が抜けたように会話も無く、ただぼーっと座っていた。

今この瞬間が、夢なのか現実なのかも分からなくなっていた。

だんだんと明るくなっていく空。

一体今は何時なのだろうかと、ポケットから携帯電話を取り出して、パカッと開いてみた。

画面は真っ暗のままだった。

さっき海の中に入ってしまったせいで、壊れてしまったようだ。

雅「あ・・」

思わず漏れ出た声に、ニノが反応した。

和「あーあ。壊れてんじゃん」

雅「元々圏外だったから使えないけど、時計も見れなくなっちゃった…」

和「勘違いして海に飛び込むからだよ」

雅「待ち受けも…見れなくなっちゃった」

和「え？」

雅「サエと一緒に撮った待ち受け写真。アレ気に入ってたんだよね…」

待ち受け画面にしていた、サエと一緒に撮った写真。

サエと付き合って、1ヶ月経った記念日に撮ったプリクラの画像だ。

二人でピースをしながら、俺は遠慮がちにサエの肩を抱いて最高の笑顔で撮ったんだ。

見ているだけで幸せな気持ちになるその画像を、俺は即待ち受け画面に設定した。

そしてサエも、同じ待ち受け画面にしてくれた。

今まで何度も何度も見てきたその画面。

サエに会えない日は、この画像を見て頑張っていたんだ。