狂人島【オワリの始まり編】 (ページ23)

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連鎖④ ページ23

ドサッ

俺は、その場に膝から崩れた。

俺には出来ないっ…

大事な親友を殺すなんて…俺には出来ないよっっ…

地面に膝をついたまま涙を落とした。

潤くんは、そんな俺のことなんて見向きもせず、渡辺さんだけを見ている。

潤「あの世まで、あと10秒やるぜ？10、9、8」

もうダメだっ・・・

銃声を聞くのが怖くて、両手で耳を塞いだ。

だけど、塞いだ両手を突き破って、誰かの叫ぶ声が聞こえてきた。

翔「あぁああああッッ」

翔ちゃんが叫びながら、渡辺さんの持っていた大きなスコップを持って、潤くんの方へ向かっていった。

そして、渾身の力でスコップをバットのように振った。

ガツッッッ

大きな鈍い音がした。

ドサッ

潤くんがグシャリと横に倒れた。

翔ちゃんが、スコップで潤くんの右のこめかみを思いきり殴打したんだ。

潤くんはその場に倒れたまま動かない。

翔ちゃんはハァハァと荒く息を吐きながら、手に持っていたスコップを地面に落とした。

そして。

その場に膝をつき、倒れている潤くんの上半身を抱き起こした。

俺とニノは、急いで翔ちゃん達の元へ駆け寄った。

雅「潤くんっっ！」

和「Jっ…！！」

潤「………」

翔ちゃんの腕で抱きかかえられている潤くんは、頭から血を流してグッタリとしている。

辛うじて目は開いているが、虚ろだ。

力なく翔ちゃんの腕に身体を預けている。

そのうち、右の耳から血がタラリと流れてきた。

翔ちゃんは、潤くんの身体をギュウと抱き締めた。

翔「…ゴメンなっ…潤っ…ゴメンなっっ…」

翔ちゃんに力強く抱き締められている間も、潤くんの頭からはポタポタと血が垂れていた。