異変�� ページ3
智「じゃあ、火に入れるのはやめよう」
目の前でネズミが、生きたまま焼かれずに済んだことにホッと胸を撫で下ろした。
と、その時。
ザクッッッ
大ちゃんが、手に持っていたサバイバルナイフをネズミに突き刺した。
ネズミは鳴き声にならない雄叫びのようなものをあげた。
大ちゃんは突き刺さったナイフを勢いよく引き抜くと、血が溢れ出すネズミをポイッと放り捨てた。
潤「智っっ…」
智「アハハハ、可哀想に」
潤「おまえっ…なんてことっ…」
智「潤が火に入れるのは可哀想だって言うからだよ」
潤「なっ…！」
地面の上でピクピクと痙攣するネズミは、大ちゃんの足に蹴飛ばされ、俺とニノの前にゴロリと転がってきた。
その残酷な行為に、俺は声も出なかった。
潤「どっ…どうしたんだよ智っ…一体、どうしちまったんだよっ！！」
智「なにが？」
潤「おまえは、こんな酷いことする奴じゃねーだろっ！！」
智「そうだっけ？」
そう。
大ちゃんは、こんなことする人じゃない。
いつも穏やかで優しい人。
虫も殺せないような人。
動物なんて絶対に殺せない人。
それなのにっ…
目の前にいる大ちゃんは。
優しさなんて微塵も感じられないほど冷酷だ。
なんで・・・？
どうして・・・？
何があったの・・・？
トイレから帰ってきた大ちゃんの行動を、正気ではないと思ったのは、きっと俺だけじゃないはず。
何があったかなんてもう…みんな分かってる。
だけど、信じたくない。
信じたくなんてないけど。
きっと大ちゃんは…
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2021年2月6日 0時
