異変�� ページ1
【相葉雅紀】
大ちゃんの異様な雰囲気に、その場の空気が凍りついた。
手に持っているのは鶏くらいの大きさの野鳥だろうか。
首の無い鳥を、逆さ吊りのように足を持ってぶら下げている。
何故、そんなモノを手に持っているのか。
そして、何故その鳥は首が無いのか。
反対の手で握っている血まみれのナイフを見て、嫌な汗が流れてきた。
翔「さっ…智くん…」
潤「なんだよソレは…」
和「気持ち悪いモン持ってくんなよ…」
雅「なんでそんなモノっ…」
順番に恐る恐る声をかけると、大ちゃんはソレを持ったまま俺達の方へ近づいてきた。
そして俺達の前で止まると、ニッコリと笑った。
智「この鳥美味そうでしょ？捕まえたから、みんなで食おうよ」
翔潤和雅「えっ」
智「ちょうど火もあるし、丸焼きでいいよね？」
そう言って大ちゃんは、バチバチと燃える炎の中に、ボンッと乱雑に鳥を投げ入れた。
その投げ方が、冷酷だった。
炎の中に放り込まれた鳥は、パチパチと音を立てながら燃えている。
その様子を、大ちゃんは満足げな顔で見ている。
潤「智…おまえ何やってんだよ…」
智「何が？」
翔「なんか残酷じゃね…？」
智「そう？」
和「あんたがこの鳥を殺して首を切り落としたのかよ…」
智「うん。肉食いたかったから」
雅「大ちゃんがそんなことするなんてっ…」
智「なんで？」
大ちゃんは不思議そうに首を傾げた。
智「だって動物なんて所詮、人間に食われる為にいるようなもんでしょ？」
当たり前のように言う大ちゃんの言葉が、俺達には受け入れられなかった。
大ちゃんの様子が変だ・・・
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2021年2月6日 0時
