面白くない�� ページ38
櫻井先生に女の子になってしまったことを兄貴にバラされたのは良かったのかどうかは分からないけども。
バレないようにと避ける必要が無くなったことに、どこかホッとしている自分がいる。
先生はどこかのドすけべ男とは違ってベタベタと体に触ってくるなんてことはせず、外見や俺の顔をまじまじと見て「確かに…」と改めて納得したようだ。
あの大きな瞳でじっくりと見つめられちゃって、男だったら危うく下半身が元気よく反応してしまうところだった。
櫻「どおりでなんか雰囲気が違うなぁて思ってたんだよね。そういうことか」
ニ「やっぱり違いますか…？」
櫻「パッと見分かんないんだけどね？ただ、やっぱり顔と雰囲気が女子っぽいよね」
智「元々女みたいな顔してっから、じっくり見なきゃ分かんなくない？」
櫻「まあね。ただ、この事が他の生徒や先生方にバレたら大変なことになるからね。男に戻るまでなんとか誤魔化せればいいんだけど…」
机に浅く腰を掛けて腕を組みながら悩む先生の姿が、めたんこカッコイイ。
なんて呑気なことを考えている場合じゃない。
いつになったら男に戻れるのか。
そもそも本当に男に戻れるのだろうか。
あいばーるだかバザールだか知らないけど、あの緑の妖精め。
突然現れてやっと男に戻してくれるのかと思いきや。
先生のほっぺたにキスして騒いで、じゃあね〜♪とか言ってまた無駄にキラキラなスマイルで消えていきやがって。
完全に冷やかしじゃねぇか。
櫻「…とにかく、戻るまでずっと休むってわけにもいかないしね…他の人にはバレないように、俺も出来る限り協力するから」
ニ「先生…(泣)ありがとうございますっ‼」
ああもう抱きつきたい。
櫻「学校の方は、なんとか俺と松本で二宮のことがバレないようにするから、家にいる時は…智、頼むな」
智「おうっ」
櫻井先生という心強い味方が新たに出来て、今になって兄貴の判断は賢明だったなと思う。
小会議室を出て、一階の廊下を3人で歩いていると、トイレから出てきた部活着の格好をした潤くんとバッタリ鉢合わせた。
松「あ。センセー来ないから、もう勝手に試合始めてんすけどー」
櫻「ゴメンゴメン、今行くから！」
松「つか、お兄さん！？なんで学校に居るんスか！？」
智「翔ちゃんに会いに来た」
松「学校でお兄さんに会えるなんて嬉しいな〜♪」
分かりやすいくらいデレデレと嬉しそうな顔をする潤くん。
あー面白くない。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2020年2月16日 1時
