二人きりの夜�� ページ21
虚しい夜ご飯を食べ終わって。
リビングのソファに座ってうだうだとテレビを観て。
気付いたら夜の9時を過ぎていて、そろそろお風呂でも入ろうかってなって。
夕方入りそびれたから今度こそはと思いつつ、やっぱりこの体で入るのは気が引ける。
智「先入ってきたら？」
ニ「あー…うん」
智「どした？」
ニ「なんていうかさ…やっぱりちょっと不安ていうかさぁ…」
自分の着ているTシャツの裾を掴みながらモジモジとしていると、兄貴が片方の口の端だけ吊り上げてニヤッと笑った。
智「じゃ、一緒に入るか！」
ニ「嫌だよ！バカじゃないの！」
智「洗うの手伝ってやるから」
ニ「はー！？そんなの恥ずかしいに決まってんじゃん！！」
智「俺、兄貴だぞ？」
ニ「えろ兄貴な。だから嫌なんだよ」
智「別に変なことしねぇから」
ニ「全然信用出来ないね。第一、女の子の体を見て兄貴が冷静でいられるとは思えないよ」
服脱いで5秒で襲われるよ！
智「そら…興奮しないとは言い切れん！」
ニ「ホラぁーー‼‼」
智「ウソ。大丈夫だって、さっき一回見てんだから(笑)」
ニ「ひぃぃッ‼‼ ちゃっかり見るなよぉー‼‼」
智「色白でイイケツしてた(笑)」
ニ「イヤああああ‼‼」
今すぐバズーカで吹っ飛ばしたい！！！
智「冗談はともかく、戻れるまでその体で過ごさなきゃいけないんなら、俺には隠さなくたっていいじゃん？」
ソファであぐらをかいて座る兄貴が平然とした顔で言う。
確かに、今後色んな場面で兄貴に助けてもらうにあたって、最初に見せちゃった方が楽な気もしなくはない。
でもなぁ…
ニ「…俺ヤダよ〜？一緒に風呂入ってる時に、兄貴がおっ勃ててるの見るの」
智「んふっ、そしたら後ろから突っ込むから」
ニ「ひえぇぇぇ‼‼絶対ヤダ‼‼絶対一緒に入んない‼‼(泣)」
智「ジョークだって。体見たくらいで、そんなんならないよ」
ニ「うーそだぁ！！」
智「ほんとだって。女の体くらい見慣れてっから」
…なんですと？
サラッと言いやがったけど、それって…
ニ「…もしかして、経験豊富なんですか？」
兄貴がニヤリと得意げな笑みを浮かべた。
マジかよぉ…
この人、こんなとぼけた顔してやることやってんのかよぉ…
焦るな和也！
相手は3つも年上の男。
経験くらいあって当然！
俺はまだ高校1年生なんだから！
経験がなくたって恥ずかしくないからな！
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2020年2月16日 1時
