魔法をかけられました�� ページ13
潤くんの手が、ためらいがちに胸を掴む。
感じたことのない感覚。
胸を掴まれたのなんて初めてで。
そのうち胸を掴む手が、ムニムニと柔らかく揉みだす。
胸を揉まれたのなんて初めてで。
これって・・・
松「…あるぞ…」
ニ「え…」
松「お前、おっパイがあるぞ！！」
ニ「えーーーーッ！！！」
慌てて手を引っ込める潤くんの代わりに、今度は自分で両手でモミモミと胸を揉んだ。
手の中にしっかりとフィットする柔らかい感触。
柔らかい…
柔らかくて気持ちいい…
って、ちがーーーーうッ！！！
ニ「なにコレーーー⁉⁉⁉」
松「ええッ⁉お前、女だったのかよ‼」
ニ「違うよ‼‼ 昨日まで一緒にトイレで立ってションべンしてるとこ見てたでしょーが！！」
松「じゃあ、なんでそんな体してんだよ！！」
ニ「知らないよぉーー！！(泣)」
もうパニック過ぎて、胸を揉む手が止まらない。
その時。
2時間目の授業が始まるチャイムが鳴った。
休み時間が終わって、次第に静まり返っていく廊下。
どうしよう…！！
ニ「これじゃ音楽室行けないよぉ！！(泣)」
松「今、音楽なんてどーだっていいだろ！」
ヴィヴァルディー！
ニ「俺、どうしたらいいの！？」
松「知るかよ！全然意味分かんねーよ！！」
ニ「何見たって引かないって言ったじゃーん！(泣)」
松「引いてんじゃねーよ、驚愕してんだよ！」
紙一重じゃぁん！(泣)
グスグスと半ベソ状態でワサワサと制服の上から自分の体を触っていると、険しい表情の潤くんが腕を組みながら大きく息を吐いた。
松「…とにかく、学校抜け出すぞ」
ニ「えっ？」
松「考えてみろよ！そんな状態を誰かにでも知られたら大騒ぎになんぞ！」
さっきの潤くんの反応を思い出して激しく納得。
ニ「…でも学校抜け出したら後で怒られちゃうよ…」
松「昨日普通に午後の授業バックレた奴が、今更何言ってんだよ！」
そうでした…
松「俺も一緒に抜け出すよ」
ニ「えっ…いいの…？」
松「しょうがねーだろ！そんな状態で一人になんてさせられっかよ！！」
彼の優しさにツンと鼻の奥が痛くなった。
今の俺には、ヴィヴァルディーよりもベートーヴェンなんかよりも、松本潤という存在が大事。
大好き。
様子を伺うように個室から出た潤くんが、チラリと廊下を見回した後、俺の腕を引いた。
その姿が、惚れそうなくらい頼もしく感じた。
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作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2020年2月16日 1時
