想いよ届け�� ページ41
ニ「大野っ！！」
すぐに大野だと分かって大声で叫ぶと、俺の声にキョロキョロと反応した。
やがて、走ってくる俺達に気付いた大野が、びっくりしたように立ち上がった。
大野の近くまで辿り着いて、はぁはぁと息を整えていると、後ろからポンっと背中を押された。
相「あとは、ニノが頑張る番だよっ！」
そう言って、大野に向かってヒラヒラと手を振った後、相葉は俺達から離れるように歩いていった。
ようやく息が整うと、俺はゆっくりと大野の方へ近づいていった。
大「…ニノ」
ニ「…ふざけんなよ」
大野がなんとも言えない表情で俺を見る。
ニ「…何も言わずに一人で勝手に行くとか、ナシだろーよ！」
大「…だって」
ニ「だって何だよ！」
大「見送られると、寂しくなるじゃん…？」
ニ「何も言えずに行かれる方が寂しいに決まってんだろーがっ！！」
大「…ごめん」
ニ「俺さぁ…あんたに伝えたいことがあるんだから、ちゃんと聞いてけよな…」
大「なに…？」
お互いに向き合ったまま、しばらく沈黙の時間を過ごした。
なかなか言えずにいる俺を、大野が黙って待っている。
その瞳が、かすかに揺れている。
一旦、下を向いて、大きく息を吐いた。
ニ「…大野。ずっと、応援してるから…何かあったら、いつでも帰ってこいよ…？」
大「………」
ニ「俺はずっと…あそこにいるからさ」
告白の半分にも満たないセリフしか言えない自分。
自分の弱さに情けなくなってグッと唇を噛むと、大野がすぐ目の前まで近づいてきた。
大「ふふふふっ」
大野が突然、笑いだした。
ニ「俺、面白いこと一言も言ってないんすけど…」
大「ふふっ、ふっ、ニノってさ」
ニ「なんですか…」
大「俺のこと好きでしょ？」
大野の言葉に、思わず涙がこぼれた。
ニ「…なんだよぉ…気付いてたのかよぉ…」
大「んだって、ニノの俺を見る目がいつも優しいし、俺に優しく触れたじゃん？」
そう言って、自分のほっぺたをトントンと人差し指で触った。
大「ほんで、俺に『行かないで』て言ったじゃん？」
昨日の夜のこと、大野は気付いていたんだ。
ていうか、寝たふりじゃねーか…
ニ「…そうだよ、好きだよ、悪いかよ！」
半ばキレ気味で言うと、大野がニッコリと笑った。
大「んじゃあ、俺がアメリカ行ってる間、浮気すんなよぉ？」
ニ「えっ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくら 樹里
| 作成日時：2018年3月22日 16時
