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それからも、閉店後に良亮の練習は続いているようだった。
郁人も師匠として、できるだけ良亮の練習に付き合っているみたいだ。
「だから、ここはクリームの絞りが…」
「わかってる」
「もっと丁寧に置いていかないと」
「ああ、もう！わかってるって！」
静かな店内に、突然、良亮の大きな声が響いた。
丁度レジを閉め終わった私ととっつーも、思わず厨房の方を振り返る。
何かを話していた支配人と塚ちゃんも、カフェの方から厨房を覗きに来たみたいだ。
その瞬間、厨房の扉がばん！と開いて、良亮が勢いよく飛び出してきた。そのまま、店の扉を開けて、外に出ていく。
全員がその様子をぽかん、と見つめていると、厨房からのろのろと郁人が出てきた。
…この顔は、多分、相当へこんでる。
「…ごめん、騒がしくて」
そう言って、あは、と力なく笑う。
「……どうしたの」
突然の出来事に驚きながら、やっとそう尋ねると、支配人が慣れた様子で笑いながら答えた。
「久しぶりに見たな、良亮が怒って出てくの」
「え、よくあることだったんですか」
「良亮が来たばっかの時はしょっちゅう」
「…最近は全然無かったんだけどな」
郁人がそう呟くと、塚ちゃんととっつーも「久しぶりに見た」と頷きあっている。
私がここで働き始めた時にはもう、そんなことは無かったから、本当にオープン当初くらいの話なんだろう。そもそもこの店は、支配人が郁人と塚ちゃん、とっつーと4人で始めた所に良亮がやってきて、今の形になったんだって聞いている。
…まだ、私の知らないことがいっぱいあるな。
「…追いかけなくて、大丈夫？」
郁人にそう聞くと、私を見てまた、困ったようにふ、と笑った。
「…あいつ、コックコートのまんま出てったからさ。A、お願いしていい？」
「……分かった」
多分あそこにいるから、という郁人の言葉を聞いてから、良亮の赤いダウンジャケット片手に店を出た。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
