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「ねぇA、和田さんと彼女のこと、やっぱ気になるでしょ？」
イベント当日。やっぱり五つ星の販売ワゴンの前は大盛況で、塚ちゃん効果か、いろんな人が買いに来る。
忙しい時間帯には支配人自らも手伝いに来て、ようやく人の波が過ぎ去った頃、塚ちゃんが私にこしょこしょと耳打ちした。
「まぁ、そりゃあ気になるけど…」
「一緒にさ、様子見に行こうよ」
「えぇ…塚ちゃんちょっとそれは悪趣味すぎない？」
和田さんは、今日、このイベントに彼女を誘って来ているはずだった。
実はこの広場で、時間になるとイルミネーションが点灯するサプライズが準備されていて、とっつーは和田さんに、何やらアドバイスをしたらしい。
そりゃあ、私だって和田さんと彼女のことは気になるし、応援してあげたいなと思っているけど。
そのためにわざわざ、2人のデートを付けて歩くのは人としてどうかと思う。
私が渋っていると、今まで黙って話を聞いていた支配人が「じゃあ」と言った。
「じゃあ、A。今から俺とデートしよっか」
「へ？」
「デート」
そう言って、支配人はにっこりとほほ笑んだ。
・
「結局、塚ちゃんと行くのも支配人と行くのも変わらないじゃないですか…」
「そう？」
「そう？って…だって、結局和田さんたちを付けてるのは一緒な訳ですし」
尾行している罪悪感から、もしょもしょした喋り方になる私に、支配人はくくく、と笑っている。
すると突然、支配人が私の右手をするりと絡めとって、握った。
「え」
「デートでしょ、俺たち」
何でもないことのように涼しい顔でそう言って、支配人はすたすたと先を歩いていく。
そんな支配人に文字通り引っ張られるだけの私は、大人しくついて行くしかなかった。
「ちょ、ちょっと支配人、見つかりますって」
「え？何が？」
「だから！和田さんたちすぐそこにっ」
「こーら、A。俺とのデートなんだから他の男なんか見ないの」
支配人はそう言って、怒ったようにぷくりとほっぺを膨らませた。
何なんだ、この人は。
「…ぷ、A、心の声漏れてる」
「あ」
「ほら、こっち」
ぐい、と手を引っ張られて、カップルでいっぱいの広場を進む。
いつの間にか、すぐ近くに和田さんたちが居て、丁度人の影で向こうからは見えないところに入り込んだみたいだ。耳を澄ませば、会話も聞こえる距離。
その瞬間、ぱっと広場が色とりどりの光に染まる。
丁度、和田さんが、小さな箱を紙袋から取り出すところだった。
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ろっか(プロフ) - お話めいっぱい書きすぎてあとがき入れられませんでした！！この計画性の無さ！！なのでコメ欄で失礼します。お読み頂きありがとうございました！あとがきはTwitterにでも載せます(笑)…ろっか (2019年12月27日 0時) (
レス) id: 2af5960142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろっか | 作成日時：2019年11月3日 16時
