杏と彰人が課題を終わらせるだけの話 ページ12
※CP要素なし
ストリートのセカイ
「はぁ〜〜〜もうムリだよ〜〜…」
「マジで………わっけ分かんねぇし…」
そう言ってテーブルに突っ伏す杏と彰人。
二人は揃いも揃って明日提出の課題を放置していたがために、こはねと冬弥に見守られながら今必死にその課題を終わらせているところである。
「もうちょっとで課題終わるよ！頑張って、杏ちゃん！」
テーブルの向かい側に座っているこはねが、うめき声をあげる杏を一生懸命励ます。
「うん…そうなんだけどさぁ、なんかこうやる気が……」
「彰人。また放課後に補習を受けさせられることになるが、いいのか？」
冬弥が教科書を持ちながらそう言う。
「分かってるけどよ……こんなことやっても面白くねぇし…」
二人ともテーブルに突っ伏したまま動かない。
「そうそう！勉強も難しいし、しかも課題がこんなに沢山出されたら、そりゃやる気もなくなるよ。」
「ああ。中学のときはもうちょい出来たんだけどな…」
「うん。ていうか、高校生になってからホントに忙しくなったよね！歌の練習に時間使ってたら、勉強する時間なんて普通とれないよ！」
杏と彰人はお互い意気投合しながら、課題への文句を言い合っている。
「……二人とも、口ばかり動かしていないで、手を動かすべきじゃないか？」
冬弥はそんな二人を見てズバッと言う。
「「ギクッ……」」
二人は声を揃えてそう言う。
「ふふ、杏ちゃんと東雲くんって、こういうときは仲良いよね。」
こはねが笑うと、二人は顔を上げ、ドンッとテーブルに手をつく。
「はぁ！？どこが仲良く見えるんだよ！！」
「そうだよ！どっちもたまたま勉強が好きじゃないってだけでさ！！」
二人ともこはねが言ったことを頑なに否定する。
「そういうところだと思うが……」
冬弥は二人を見ながらそう呟いた。
「はぁ……でも、マジでやる気出ねぇな…」
「うん…そうだよねー……」
そう言って二人は再びテーブルに倒れこんでしまった。
その様子にこはねと冬弥が困っていると、カウンターに座っていたミクがこちらにやってきた。
「ふふ、杏と彰人、大変そうだね。」
ミクはこはねと冬弥の顔をみてそう言う。
「うん…二人とも、やる気が出ないみたいで……」
すると、ミクは杏と彰人に声をかける。
「…ほら、杏、彰人。ドリンクはいつものでいい？」
その言葉に、黙っていた二人が顔を上げる。
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作成日時：2021年9月13日 1時
