15,答えれたのだろうか。 ページ18
ゼロ・エイリアス side
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「…いない……。」
天界に俺の友人がいると思い飛んできたのだが
静まり返った天界に友人の姿は無かった。
「どこへ行ってしまったんだ…
焦りと呆れが混ざった溜息を零す。
「仕方ないな…
___俺は、ピットの居場所がわかる。」
能力である言霊を使い、ピットの居場所を探る。
今まで費やした労力が無駄とでもいうかのように
居場所はすぐに分かった。
あいつは泣き虫で寂しがり屋なのだから
早く行かなければ…。
そんな考えも、俺がピットに対して持っている
一方的な印象でしかない。
もしかしたら、あいつの本当ではないかもしれない。
そんな事を考えているうちに、ピットがいる森に到着した。
ピットの詳細な位置情報までも分かっているので、指定された場所へ向かえばピットに会える。
急がなければならないという焦りと
アイツは一人で大丈夫だろうかという不安から
俺は指定された場所へと走り出していた。
「………!!」
何千年も育ってきたのであろう大樹の下に小さな影が見えた。
それは、まるで涙を堪えるかのようにギュッと強く自身を抱き締めていた。
茶色の髪が風に撫でられ、ちらちらと見える。
俺が探していた奴に違いなかった。
物音を立てないように静かに近寄る。
少しの音でも怖いだろうと考えたからだ。
近づくにつれ丸い背中や
指が小刻みに震えているのがわかった。
なんと声をかけるのが良いのだろう。
怯えている人にはどのようにすれば良いのだろう。
人と関わりを持つ事をしてこなかった俺には
どのようにすれば良いのかは分からなかった。
いや、わからなくて良かったのかもしれない。
「___ピット……__。」
いつものように静かに、柔らかく…。
俺はソイツの…。
___ピットの名を呼んだ。
手の震えは収まり、丸くなっていた背中が徐々になおっていく。
ばっと顔をあげたピットは溢れかえらんとばかりの涙を目に溜めて、安心したかのようにフワリと笑った。
すると、俺に飛びついて来たので咄嗟に抱きとめた。
ピットは
「寂しかった」「良かった」「ありがとう」
と抱きつきながら言った。
俺はなんと返せば良いのか分からなかったので
ただ
「ああ…。」
とだけ答え、ピットを下ろした。
もし俺が魔の者ではなかったのなら。
ピットの言葉を、もっと理解し、受け止め
__答えれたのだろうか_。
to be continued
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あめだま(プロフ) - 見返してみれば矛盾だらけでした。修正したりしてますので矛盾してたら指摘下さい!( (2018年2月3日 9時) (レス) id: e80c6ffed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーりん | 作成日時:2017年11月20日 22時