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それから、乱と東京へ行き、様々なファッションブランド店を回った。
雰囲気がオシャレで場違い感が凄かったのと、値段の高さに驚いてしまう。
ファッションには疎い為、乱や店員さんの勧める物を厳選して買った。
「いやー!いい買い物出来たね主さ……って、なんか疲れてない!?」
「雰囲気が私に合わなくて…。やはり庶民的なしまむらが私にちょうどいいです。」
「そっかあ。」
私と乱が帰路についているとき。
「ちょっとそこのかわい子ちゃんたち!」
「俺らと一緒にどっか遊びに行かない?」
いかにもチャラい男2人が私たちに声をかけてくる。
「お断りします。行きましょう乱。」
そう言って帰ろうとすると、男が腕を掴んで来る。
「おいおい、つれない嬢ちゃんだなあ。いいでしょちょっとぐらい。」
「やめてください!」
「ちょっと離しなよ!」
男の力は強く、乱が振りほどこうとしてくれるが、ビクともしない。
「そこの嬢ちゃんもこっちおいでよ。」
「わっ!離せ!」
乱の腕も別の男に掴まれる。
「そんな怖がるなって!今から楽しい事しかしないんだから。」
耳元でそう囁かれ、鳥肌が立つ。
状況は最悪。
今叫んだら何されるか分からない。
横を通る人たちは知らんふり。
…仕方ない。
騒ぎになるかもしれないけど、霊力を手に込めて…。
そう思い、拳をギュッと握りしめた時。
「離せよ。」
「いでででで!」
私の腕が解放される。
その原因は、私の目の前にいる白髪の男性が振りほどいてくれたから。
今ここにいるはずのない、彼が。
「鶴丸!」
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作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時