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分かりやすく彼女は動揺する。
故意である事は間違いない。
「何でその話……。」
「こちらにいる明石から聞きました。」
「久しぶりやんなぁ。自分の事覚えとる?」
「久しぶり……って、貴女まさか!?」
「貴女が以前掛け持ちしていた本丸の新しい審神者です。」
彼女は恐ろしい物を見る目でこちらを見る。
「貴女、何でその人たちと一緒にいて涼しい顔していられるの…?殺されるわよ…?」
「ええ、確かに殺されかけました。しかし、それは最初の審神者の非道な行いのせいで疑心暗鬼になっているだけで、正しい行いをしていれば次第に彼らも自分はあの審神者と違うと分かってくれて、やめていってくれますよ。」
私は彼女を睨みつける。
「少なくとも蛍丸は貴女に危害を加えていないはずですが、何故殺したのですか?」
「だ、だって蛍丸も、わたしを殺して来るんじゃないかって、あれが演技じゃないかって考えたら……!」
「それ故に殺したと。審神者は刀剣男士に無闇に危害を加えない事、自分に与えられた本丸は最後まで担当する事が義務付けられているはずでしょう。お言葉ですが、職務怠慢にも程があるのではないでしょうか。」
「あんたに何が分かるのよっっっ!!!」
彼女はテーブルを勢いよく叩きつけた。
「毎日毎日物陰にビクビクして、夢でさえその光景が出てきて、誰が私を殺しにかかるか分からなくって……!」
「死にたくない気持ちは分かりますけど、そこまで怖がる必要は…。」
「不特定多数に命を狙われてたら普通こうなるでしょ!?他の審神者だってそうだって聞いたわよ!!あんた、ちょっと頭おかしいんじゃない!!??先輩に口出しするとか、この礼儀知らず!!!」
………え?
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作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時