検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:110,094 hit

39 ページ39

どーこにもおらへん。
あん人、どこ行ったんねや……。

「……あ!!国行、あれ!!」

蛍丸が指さした先に荷物を抱えた審神者がおった。
まさかこんな早く本丸出ようとするとはなあ…。
蛍丸が走り出す。

「待って!!!」

蛍丸を見た審神者は、恐怖に満ちた顔をしてはった。

「行かないで!燭台切のは誤解なんだよ!審神者を殺そうとしてないんだよ!」
「………。」
「俺も、俺もそうだよ!……だから審神者、行かないで…。」

蛍丸が悲しそうな顔をする。
審神者の顔も段々複雑なもんに変わってく。
しばらく黙った後審神者は、ごめん。とだけ呟いて蛍丸に何かを渡し、走って行った。
蛍丸はとぼとぼとこっちに歩いてくる。

「何渡されたん?」
「ほたる饅頭……。」

ほたる饅頭。
蛍丸が食べたい言うとったやつやな。
蛍丸と仲良うしてはったから、せめて最後はと思って渡してくれたんやろか。

「せっかくやし、部屋戻って食べ。」
「うん……。」

蛍丸と一緒に部屋に戻る。
したら蛍丸、なんと1口で食べはった。
そこはちょっとずつ食べていくもんやないん?
と思うたけど、審神者を思い起こすもんは早めに無くしたいんやろな。

「……ゲホッ!!」

蛍丸の口から、赤黒いもんが飛び出してきた。
突然過ぎてそれが何なんかすぐに分からんかった。
いや、分かりとう無かった。
それが『血』だったなんて。

40→←38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。