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「なぁ審神者。」
「何でしょうか。」
「あんたのそれって、地毛か？」
私の髪を指差して言う。
…まぁ、見た人誰もがそう言うだろう。
むしろ今まで言われなかったのが不思議だ。
「そうです。」
「人間にしてはやけに珍しい色だな。」
私は、生まれつきピンク髪だ。
遺伝子の突然変異か何かだろうと思うが、まぁこんな髪色の人間は滅多にいない。
施設の人からはそれで気持ち悪がられ、あまり良い待遇は受けられなかった。
それでも審神者になるまで育ててくれたのだから、感謝はしている。
学校には髪が痛まないよう、黒染めではなくかつらをつけて行ってたな…。
「前の審神者も赤髪だったし、霊力が強い審神者は特殊な髪色なのかもな。」
「そうですか…。」
「他にうちに来た審神者たちは全員茶髪か黒髪だったけどな。」
「他に来た審神者がいるんですか？」
それは初耳だ。
でも考えてみれば、さすがの政府でも1つの本丸を十数年も無審神者状態にはしないか。
「あぁ。政府に命じられてな。俺らを助けるーってほざいておいて、自分に危害が及んだら逃げてったよ。全く、偽善もいいとこだぜ。」
職務よりも自分の命を優先するなんて、審神者として情けない人たちだな…。
「長くても1週間がザラ、しかも自分の本丸と掛け持ちって感じだったから俺らは歴代審神者として数えてないんだ。」
「そうですか。」
でも霊力が高いとはいえ、何故新米である私をここに送り込んだのか尚更気になるな…。
ガラッ
「失礼します。」
「おっ、光坊！」
眼帯の刀剣男士、燭台切光忠。
鶴丸から幾分か話を聞いている。
「桜餅作ったから、審神者さんと鶴さんに食べてもらいたくてね。」
「桜餅か。こうして見ると、審神者に似てるな。」
「どこがですか。」
「桃色な所とか？」
そこだけか…。
まぁ確かに色味が似てないこともない。
私はパクリとそれを食べる。
「！！！」
「どうした審神者！？」
これは…！
「…美味しいです。」
「それは良かった。」
鶴丸はその場にズッコケた。
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
