白き鶴からの贈り物【刀剣乱舞】 (ページ29)

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「ただいまー。」
「おかえりなさーい！」

乱が出迎えてくれた。

「主にマニキュア買ってもらっちゃった。」
「え、ずるいー！！」

加州がマニキュアの瓶を自慢げに見せる。

「主さん、僕も可愛い服欲しいー！！」
「まず乱が何かあげろよ。厚と鯰尾と骨喰助けてもらったんだろ？」
「もっちろん！主さんのも買いに行く！」

…はあ。
全くこの子たちは。
何故私にここまで懐いているのか。

「人気者で良かったな審神者。」
「そうですね。」
「……審神者、そんなに嬉しいのか？」

は？
自分を意識してみると、口角が上がっていることに気づく。
何故私は笑って…？

「前から思ったんだが、もっと素直になれ。別に笑おうが泣こうが誰も咎めないさ。」
「いや、私は今までほぼ無感情で過ごしてきたので、笑うとか泣くとか、そういうのがよく分からなくて…。」

笑うなんてこと、滅多にしてこなかった。
ましてや胸のこの暖かさを私は知らない。

「分からないなら、とりあえず身を任せてみればいいんじゃないか？」

身を…任せる？
よく分からないが、とりあえず私は力を抜き、胸の中の暖かい物に従う。

「では乱。今度買いに行きましょうか。」
「本当！？やったあ！！」

乱は大はしゃぎする。
そして私に抱きつく。

「絶対だよ！！忘れちゃダメだからね！！」
「はい。」

私は乱の背中をポンポンと叩く。

「…ったく、あいつすげぇ優しい笑顔できるじゃないか。」