白き鶴からの贈り物【刀剣乱舞】 (ページ25)

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「…とまあ、こんな感じでずっとあの部屋にいたな。」

今剣が言っていたのはこの事だったのか。
仲間を殺させるなんて非道な…。

「俺も本気で楯突いてたら伽羅坊と光坊を殺してたかもしんねえのか…。なんかゾッとするな…。」
「……大倶利伽羅は折られたけどな。」

その場に重い空気がのしかかる。

「おぬしらに見つけてもらえてよかった。危うくあのまま何百年も過ごしてしまうところだった。」

はっはっはと三日月は笑う。
あんな風に笑っているけれど、本当は辛いに違いない。
嫌いである審神者に強制的に従わされ、仲間を殺してしまった。
しかも話を聞く限りそれを覚えているようだ。
何で彼は悲しい表情を見せないのだろうか。
分からない。

「そういえば三日月。今剣が貴方に会いたがっていましたよ。」
「今剣が…？しかしあやつは俺を恐れてはいないか？」
「恐れてはいましたが、理由もなくあんな事をする人ではないと言っていましたよ。」

それを聞いた三日月は一瞬驚き、そうか。と微笑む。

「だが生憎、今日は疲れが溜まって会いに行ける余裕がない。なんせじじいなもんでな。」

こんな若いじじいがどこにいるかとツッコミたくなったがとりあえず、そうですか。とだけ呟いた。

「明日にでも会いに行くと今剣に伝えてくれ。」
「わかりました。では鶴丸、行きましょう。」
「ああ。」

私は鶴丸と共に手入れ部屋を出る。
今剣にこの事を伝えると、泣きながら喜んでいた。
私は今剣が泣き止むまでずっと背中をさすってなだめた。