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鶴丸は信じられないと言いたげな目線を向ける。

「きみ、雰囲気が変わった…か?」
「はっはっは。俺は変わらんよ。」

温厚とはかけ離れた、冷たい笑顔を向ける。

「…して、貴様は誰だ?」
「新しく貴方の本丸の審神者となった者です。」

そう言うと、三日月の表情は険しくなる。

「ほう……。前の審神者は?」
「十数年前にどこかへ行ったらしいです。」
「そうか…。そうかそうか……。」

三日月は笑うと、瞬間に私を壁に追い詰める。

「嘘をつくな。あの方が俺を置いて行くはずが無かろう。」

冷たい視線と殺気を感じる。
今にも私に斬りかかって来そうだ。

「事実です。私が貴方に嘘をついて何になるんですか。」
「おおかた、政府の差し金か何かなのだろう?『心優しい』主をことごとく忌み嫌い、いたぶって来たからな。正直に言ってみろ、俺の主を殺したんだろう?」

心優しい…?

「三日月、お前どうしたんだ!?あいつは政府からいたぶられるどころか、圧倒的な霊力で逆らえないようにしていただろう!?第一、『心優しい』って何だ!?きみもあいつの凶行を批難していただろう!?」

鶴丸がそう言うと、三日月は刀を彼に向ける。

「口を慎め鶴丸国永。主への侮辱はこの俺が許さん。」

鶴丸は驚いた顔をする。
まさか彼に刃を向けられるとは思わなかったのだろう。

「本当にどうしたんだ三日月…?何であいつを『主』と呼んでいるんだ…?」
「お前こそ無礼ではないか?俺たちを手厚く養ってくれた彼女に対して『あいつ』とは何だ?」

どういう事?
何故三日月の中の審神者像がこうも違うのか?
三日月は再びこちらを見る。

「…さあ、早く言え。『私が殺しました』と。さすれば楽に殺してやるぞ。」
「そもそも私は彼女と会ったことすらないですよ。」

そう言うと、三日月は刀を持っていない方の手で私の首を強く絞める。
本気で殺しにかかってる…!

「しらばっくれるのもいい加減にしろ小娘。俺から主を奪っておいてその態度、もはや許す訳にはいかぬ。」
「ゔっゔゔ……!」

苦しい…!
息が…!

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作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時

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