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その後、鶴丸に三日月の霊力を探知して貰ったが、どこにも反応を感じないとのこと。
もしかしたら彼はもう…。
いや、まだそう決めつけるのは早い。
今剣の言っていた『三日月の模様』を探せば…。

「鶴丸、探知はもういいです。『三日月の模様』とやらを探しましょう。」
「そう、だな…。」

鶴丸は不安そうな表情だ。

「三日月…。」
「……大丈夫だと、信じましょう。」
「ああ…。」

______

その後、どの部屋を探しても模様は見つからなかった。
可能性があるとするならば。

「ここだな。」
「ええ。」

審神者の部屋。
乾いた血飛沫と異様な雰囲気が漂う場所。
この部屋を見るだけで、彼女がどれだけ異質な人物だったかが分かる。
一応審神者部屋も調べたのだが、見当たらなかった。
しかし、この血飛沫の裏に隠されているのではないかという考えに至った。
私たちはそれに賭けることにした。
私は水の入ったバケツと雑巾を持って部屋に入る。

「鶴丸、ここの掃除は私1人でしますので、どこかで休んでいてください。」
「言ったろ。俺はあんたを監視する為にいつも一緒にいるって。」
「……同胞の血を、拭くんですよ。」

辛くないのかと。
そう言おうとすると、鶴丸は雑巾を手に取る。

「拭いてやらねえと、あいつらが浮かばれねぇだろ…。」
「…そうですか。」

私は鶴丸と一緒に血の跡を拭く。

____

さすがに何十年も放置していたから、完全に落とすことは出来ないな…。
三日月の模様がどれだけの大きさかは分からないけれど、少なくともこれくらい落ちたなら見えるはずだろう。
私は、押し入れの中を拭き始める。
すると、押し入れの天井にそれらしきものを見つけた。

「鶴丸。」
「見つけたか?」

私は鶴丸に手招きをし、こちらへ来させる。
鶴丸もそれだろうな、と頷いた。
しかし、これを見つけたからといって何をすればよいのだろうか。
別にこの部屋に三日月がいるというわけでもないし。
私は模様を触ってみる。
すると突然光り出した。

「きゃっ!!」
「な、何だ!?」

あまりの眩しさに、思わず目を瞑る。
目を開けると、そこは先程までいた部屋ではなくなっていた。
明かりのついていない真っ暗な部屋。
三日月の光が射して、かろうじて見えるくらいだ。

「久しいな、鶴。」

低く、重い声が響く。
誰かがこちらへやって来る。
青の和服に身を包んだ、煌びやかで美麗な男性。
その雰囲気から、只者ではない事が分かる。

「み、かづき…?」

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作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時

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