13 ページ13
「私は新しく入った審神者です。加州、早速ですが私の話を聞いてくれませんか?」
「何で審神者の…!!!」
私は無視して話す。
「貴方が時間遡行軍になって前任の審神者を殺したとして、大和守はそれを喜びますか?」
「俺が安定と戦ってた時、安定は『僕を助けて』って言ったんだ!!!今思えば、あれはきっと俺に安定が時間遡行軍になる前の時間に戻って審神者を殺せって事なんだ!!!安定の本望なんだから、喜ぶに決まってる!!」
「その助けてが別の意味だとしたらどうです?」
「あんたに安定の気持ちなんか分からないだろ!!!都合よく解釈するな!!!!」
…確かに私も、ただの推測で言っているだけだから分からない。
「ならば、大和守本人に聞きましょう。」
「…は?」
「鶴丸、加州を運んでください。」
大和守の言葉ならきっと納得するはず。
そう思った私は、鍛刀部屋へと向かった。
_____
この少ない資材と手伝い札で出来るか…。
私は、資材を注ぎ込み、手伝い札を張り、霊力を込める。
お願い…!
「僕は大和守安定。沖田総司の愛刀の1つ。」
…来た!
「や、す…さだ?」
「久しぶり清光。」
清光は大和守に抱きつく。
「安定…!!安定ぁ…!!」
「何?出会ってそうそう抱きついちゃって…。」
「俺、安定のこと……殺して……!!!」
「は?何言ってんの?大体、池田屋の時から今日まで1度も会ってないじゃん。」
「へ……?」
……そうか。
確かに彼は『大和守安定』だ。
しかし、加州が折った大和守安定ではない。
見た目は一緒でも、中身が違うってことか…。
でも、性格はさほど変わっていないはず。
「大和守、出会って早々悪いですが、1つ質問していいですか?」
「何?」
「もし貴方が時間遡行軍になったとしましょう。貴方を止めるため、加州が貴方と戦います。その時に貴方は『助けて』と彼に伝えるとしたら、それは一体どういう意味合いになると思いますか?」
説明すると、大和守は瞬時に加州が言っていたことの意味を理解したようだ。
「なるほど、別の僕を折ったわけか。うーん…、僕はその僕じゃないから多少違うかもしれないけど、もし僕だったら…」
110人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜花 | 作成日時:2020年4月24日 0時