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今剣に霊力を与える。
「霊力もだいぶ回復してきたな。この調子なら、あと数日で目覚めるだろうぜ。」
「それはよかったです。」
皆、大丈夫かな…。
もし検非違使が現れていたら…。
「安心しろ大将。あいつらはそんな簡単にくたばらねぇさ。あの女に比べりゃあ、検非違使なんざ可愛いもんさ。」
「そうですか。」
だといいのだけれど。
それにしても、一体誰が同じ時間をループしているのか。
余程その時間に何か未練があるか、もしくは…。
「主！！！」
鯰尾が襖を乱雑に開ける。
「助けてやってくれませんか！？加州さんが…！！」
加州？
外を見ると、鶴丸がボロボロになった刀剣男士を背負っている。
彼が同じ時間をループしていた…？
こんなボロボロになるまで…。
「分かりました、すぐに手入れを始めます。」
「いや、それもありますが…。」
？
他に何か？
「いや、手入れの後でいいや。一先ず手入れをお願いします！」
「はい。」
私は、急いで鶴丸と共に手入れ部屋へ向かった。
＿＿＿＿＿
何でこんなにも部屋がボロボロなの…！？
資材も全くない。
前任の審神者は一体何をしていたの…？
「そういやあいつが出ていく時、大きな袋を持っていくのを見たな。あれはもしかすると資材で、資金として売りに出したのかもしれないな。」
何をやっているの前任…！
本当に自己中心的な考えの人ね…。
政府も政府で何でそんな人を解雇にしなかったのか。
まあ、今そんなことを考えても仕方ない。
私は乱が持ってきた資材や包帯、傷薬を使って加州の手入れを行った。
＿＿＿＿＿
なんとか手入れを終えた。
資材はギリギリ足りたが、今後のことを考えると調達しに行った方がいいかもしれない。
加州は眠りについている。
その際、「安定…。」と言いながら涙を流していた。
『安定』というのが加州があの時代に居続けた理由？
私は、鯰尾のところへ行く。
「鯰尾。」
「加州さんはどうです！？」
「大丈夫です。今は寝ています。」
そう言うと鯰尾は、良かった…と安堵した。
「で、先程言いかけていたのは何ですか？」
「ああ、実は…。」
鯰尾が息を飲み、話す。
「加州さん、体よりも心の方がヤバいです。あともう少し遅ければ、時間遡行軍になっていたかもしれません。」
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作者名：桜花 | 作成日時：2020年4月24日 0時
