第9話 ページ9
きょう店休みか？
家まで送ってくれるのだろうか。
肩を組まれたままフラフラと足取りを合わせる
休みじゃないです
ふーん。
誰か客はついてんのか？？
あんな客ばっかり…なんてこと
今の店はやばいトコじゃないので
ママはそんな人じゃないと言い張ってみたら
そかそか。
グリグリと頭を押され、んじゃ気をつけてけよ
と満足そうに口角を上げてバイバイした
あそこで働いてもうすぐ3年たつ。
変わったことと言えば
総理大臣が女性に変わり
男尊女卑から女尊男卑になったことだ。
そのおかげもあり景気は良くなった、
とママは言う。
俺は前よりもっと多い税金がのしかかって
そんなこと思わないけど
おはようございます。
おはよ、Aちゃん！はいコレ♡
きょうはバニーの日だから
今回はこれで行くわよ♡
…あ、はい。
顔死んでるぞAちゃーん
Aちゃんかわい〜
似合う似合う！よっ！日本一！
はいそこ飲みすぎでーす
あらぁ私が1番じゃなかったのぉ？？
えぇ？そうだっけ〜？？
盛り上がってる所に変わらない野次を飛ばす。
零さんはアレから顔を見せなくなった。
忙しいのかな、と思ってた。
ある日家の前にいつもの2人がたってた
おお金なら返しますので！
せせめて給料日までっ！
いや、もうお金は用意しなくていい
え？な、ぜです？
金が送られてきたんだ、
きのう。耳の添えてな。
驚いた。誰が払ったんだろう。
おじいちゃんが払ってくれたのか…
その日、すぐに母に連絡した
知らなかったようで
拍子抜けした声はスピーカー越しに分かった
いったい誰だろう。
分からないまま俺は20歳の誕生日を迎えた。
お誕生日おめでとう、俺
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作者名：敬語ペンギン | 作成日時：2019年12月19日 19時
