三話 ページ4
今日は部活紹介の日。
様々な部活の部長が、自分の部の魅力を語る日。
昨夜までいろいろと考えたが、とりあえず様子見でいこうという形にした。
サクサクと進んでいった紹介、次は……弓道部のようだ。
舞台袖から爽やかそうな男の先輩、弓道部の部長が出てきた。
『えーキキーン――ちょ、えー、弓道部でポヒーン――アレェ!?』
キーン
弓道部部長はマイク越しに大声を出し、体育館中がキーンという音で響く。
う、うるさい……。
僕は思わず顔をしかめ、身を縮めた。
僕だけでなく、周りの生徒や先生、舞台に立っている弓道部部長までもが顔をしかめていた。
その後、ドッと笑い声が体育館を包んだ。
な、なんだこの人。おもしろい。
それに、謎の安心感があるっていうのかな。心がぽかぽかしてくる。
クスッ
僕は少し笑った。
こんなことで笑ったの、久しぶりだな。
なんとなく、碧人のいる方をチラッと見た。
きっと碧人も笑ってるんだろうな。そう思ってた。
だが、碧人の顔は、いわゆる間抜け面というやつだろうか。ポカーンとしたまま部長さんを見ていた。
でも、その表情は悲しいような、切ないような表情にも見えた。
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餅木(プロフ) - シリアスな感じが好きです! (2022年1月26日 18時) (レス) @page11 id: c3e8d9b56b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つきなが | 作成日時:2018年2月7日 18時