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side black
「北斗、今日空いてる？」
「雑誌の撮影あるけど、夜なら」
「じゃ夜ね」
あの日以来、
あの日一緒に月を見て以来、
俺と京本の距離は近くなった
撮影終わりに2人で飲みに行くこともあるし、
突然プレゼントと言って花束を渡されることもある
俺は割り勘がいいって言ってるのに
先輩に奢られて、なんて言われて毎回奢られてしまう始末
「きょもと北斗飯行くの？」
目敏い慎太郎が俺と京本のやり取りを聞いて、大きな声で聞いてくる
その声を聞いて、樹がこちらを向くのがわかった
これまでは誰にも言わずにきたからか、
京本に言ってしまった今となってはすこし樹への感情が落ち着いた気がする
もちろん今でも樹を見ると胸が音を立てるし、触られればその部分だけ熱を持つ
でも、同じ現象は京本にも起こり始めていて
樹だけが特別じゃなくなってきていると思う
「うん、夜ね」
「俺も行きたい！」
「だーめ」
何で何で〜と言う慎太郎を微笑ましく思いつつ、
何故そこまで2人で行くことにこだわるのかと首を捻った
「俺は別にいいよ？」
俺が口を挟めば、目がきらめく慎太郎と対照的に明らかに嫌な顔をした京本
「いいの！？」
「…慎太郎、今日先約あるって言ってなかった？」
「あぁ！そうだった！」
高地の言葉に反応した慎太郎は携帯のスケジュールを見て肩を落とした
「じゃ俺時間だから」
「じゃーねー」
楽屋を出る間際、ちらと振り返れば樹と目が合った
ドキリ、
樹は俺のことを何とも思ってないのに、そんな顔で見てこないでほしい
そんな目で俺を見ないでほしい
それを遮るように視界に京本が割って入ってくる
「じゃね、北斗！場所はまた連絡する」
そう言って優しく頭を撫でられれば、何故だか安心してしまって
「うん、」
その笑顔につられて自分の口角が上がるのを感じた
その後の楽屋がどうなっていたか、なんてことは知らずに
fin...?
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作者名：ぷりむら
| 作成日時：2021年3月10日 15時
