『空白のペンダント』 ページ8
「フフッ」
「どうしたの？」
水晶玉を見ていた少女は尋ねた
「ペンダントにはどんな効果があるのか知らないでねえ、渡すとは…滑稽ね」
「でも『過去記憶』だの『未来構築』だの『調律』だの使われたらまずいんじゃない？」
「大丈夫よ、心配しないで」
そういった少女はまたフフッと微笑んでから言った
「さあ、どうなるかしらね…」
「？」
「大丈夫よ、私は此処の『カオステラー』なんだから…」
「…ええ、わかったわ」
一方そのころユイカ達は
「は…っくしゅん！」
「うわあ、盛大なくしゃみ」
「うるさい、お姉ちゃん！」
｢｢………｣｣
それはひどい、とナノハは思い、レイナとシェインは、なにかの軽いコントを繰り広げているのかと思った
｢でも、このペンダントって何かありそうだよね｣
｢………？なんか、変な感じがする…｣
｢え？どういうことなの？｣
レイナがナノハに質問する、変な感じとは何か、もしかしたら…
｢カオステラーに直接繋がるものかもしれない、いえ、繋がるものかもではない、繋がってるわ！｣
｢レイナさん、これは参考にした方がいいですよ、お姉ちゃんのこういう勘とか当たりますから｣
｢え、ええ、そうするわ｣
｢いずれにしても、カオステラーを探す手がかりにはなりそうですね｣
｢………｣
｢どうしたの？ナノハ｣
｢ここのところは、放っておいたほうがいいよ、レイナさん｡お姉ちゃんこういうのには集中しちゃうの｡毎回そうやって問題を解決してきたんだから｣
｢問題？｣
｢そう、レイナさん達と同じ問題｣
そう、とレイナはつぶやいてなにか考えたような顔をした
ユイカは無表情だった
｢どうしたの？ユイカ｣
ファルルが覗き込むと、そこには
2人の少女が映っていた
｢｢…！！｣｣
2人の少女はユイカと目が合った
瞬間見えなくなった
｢…今のって？｣
｢人じゃないですか？｣
シェインはとてものんきだった
｢…過去記憶するよ、ユイカ！！｣
｢え、え！？何で！？時間まで戻る…｣
｢いいから！！！今回は戻らない！
力が働いて…戻るから！さあ、早く！｣
｢…これは、なんかあった時だね。ま、
いいとしますよ。｣
2人はお互いの手を握りあった
『我らの知らぬ過去よ、真実よ』
ナノハはいつもとは全く違う低い声を放った
『過去を知らぬ我らに、真実を教えよ』
ユイカはいつもとは違う集中した声を出した
｢｢過去記憶、発動！｣｣
その瞬間、双子の姉妹以外の全員の意識が無くなった。
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