最大の敵 ページ27
｢…消えた…？｣
｢誰が消えたって？私とミチル、シェインはここにいるけど｣
｢違うの、カオス･のんが消えたの！その…持ってた杖振り上げてその途端に消えたの！｣
｢カオス・のんが！？…よく聞いて、ユイカ。今、私たち以外のみんなは何故か眠っているの。ナノハも寝ているわ。恐らく、カオステラーの影響で…｣
ミチルは静かに状況を伝えた
｢嘘でしょ……ミチルさん、シェイン、戻ろう！あたし…お姉ちゃんが…ナノハがいないと…！｣
｢…ナノハに伝えてあげて。ナノハ、悲しんでたから｣
ベラはユイカの肩に手を置いた
｢じゃあ、行きましょう！｣
｢…あ、ユイカ！｣
部屋に戻った4人を待ち受けていたのは3人の少女だった
｢カオス・のん…ちり…あなたは…｣
｢モリガン…！どうしてここに！！｣
ミチルはモリガンと呼ばれた1人に鋭い視線を向けた
｢…そんなことも分からないかしら？私はね、手を組んでいるの。そしてここにいる理由は、ただひとつ。｣
モリガンは眠っているナノハに手を触れた
｢…！？やめて！お姉ちゃんに何をするの！？｣
｢あれ？ユイカ言ってたよね？お姉ちゃんを越したいって｣
カオス・のんは笑みを浮かべて指で銃の形を作った
｢永遠に超えられない姉を越すには、何をすればいいと思う？そんなの簡単｣
ばんっ、とカオス・のんは声を出した
｢お姉ちゃんを、消しちゃえばいい｣
闇のこもったその声に4人は身震いした
｢ユイカにとってナノハは大事な姉なんです！ナノハを返してあげてください！｣
｢シェイン…分が悪いわ…なにか状況を打破するには…｣
ミチルが悩み始めた
｢…過去記憶｣
ユイカが呟いた
｢過去記憶すれば…望む時間に戻れる｣
｢でも…前に過去記憶した時は2人で一緒にしないとできなかったですよ…？｣
｢…昔、お姉ちゃんが｢かぐや姫｣の想区で1人だけで過去記憶したの。もちろんあたしも覚えてた。でも…お姉ちゃんは倒れた。高熱も出して、喋れないぐらいに。みんなが必死で看病してくれたから、お姉ちゃんはここに居るけど…お姉ちゃん以下のあたしがしたら、成功しないかもしれない…成功したとしても死んじゃうかもしれない｣
ユイカは空白の書を開いた
｢ユイカ、危ないわ！成功したとしても…そんな危険なことをするなんて！｣
｢そうだよ、ユイカ！｣
｢そんなこと、できるはずないのですわ。何かしたらすぐあなたの姉は…｣
｢…お姉ちゃんは、いつもあたしを最優先にしてくれた｣
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