妹達の夢 ユイカside ページ26
ユイカside
しばらく歩いて、カフェの前にたどり着いた
でもあいにく、カフェはお休み
｢はぁ…｣
｢やっほー、ユイカ｣
聞き覚えのある声がした
｢カオス･のん…どうして、こんな所に？｣
｢ふふっ｣
カオス･のんは不敵な笑みを浮かべた
なんか…前よりも…言い表せられないけど…
前より、闇が深く感じる
ざっくり言うと前に会ったときの、のんじゃない
らぁらの妹として、同じ髪色、同じ瞳の色のはずなのに、それが前よりとても濃いこと…
うーんそうだね、夜空の色っぽいっていったら分かるかな
それと、前にあった時は白黒のコーデだったのに、それが黒が基調の色になってきたこと…
まあ、ピンクの部分とかもあるけれど、どの色にも黒を混ぜた様な色をしてる
それと、前よりもフリルや、うさぎの飾りとかが格段に減ってる
もう、前に会ったようなのんじゃないってことがよく分かる…まあ、私が会ったのは2回目なんだけど…
｢当ててみてよ｣
｢当てる？うーん…散歩？私飛び出して来てどうやって戻ればいいのか分からないし…それでぶらぶら散歩して…ってごめんね…｣
｢ううんいいの、正解だし｣
あ、あってんだ
｢私も、散歩してたんだよね…
お姉ちゃんを超えるにはどうすればいいかなーって｣
｢超えるって…｣
｢考えたことない？いつもいつも、お姉ちゃんが輝いてて、自分はどうなんだろうって｣
｢それは…｣
ある、何度も何度もあった
私が人魚姫になれたら、お姉ちゃんになれたらって
お姉ちゃんが空白の書の持ち主になっても、私はずっと思い続けてきた
どうして私は…
｢お姉ちゃんに、なれないんだろうね？｣
カオス･のんの声でハッと我に返る
心の奥底の疑問を言われた、しかもちょっとぴったりのタイミングに
｢それはあたしもユイカも思ってることでしょ？
妹達の夢って感じ？｣
妹達の夢…か叶えるには…
｢どうしたらいいんだろ…｣
お姉ちゃんになれない、なら超えるしかない
でも、超えられない
叶わないんだ、お姉ちゃんを超えることは…
｢超えられないなら、別の方法しかないじゃない？｣
｢別の方法？｣
｢そう、それはね…｣
｢ユイカ！こんな所に！｣
ベラが走って来た…
｢心配したんだから、ユイカ！｣
心配…してくれたの？
｢誰か来たみたいだね…それじゃあねー…
また、会いましょ｣
｢のん！どこに…｣
続きを叫ぼうとした瞬間、カオス･のんの持っていた杖が振り上げられて、一瞬で消えた
｢別の方法って…｣
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