魔法使いの呪い ページ32
「私…ユイカが起きたら…なんて言葉をかけたらいいのか、分からない…私のために、過去記憶を発動して…」
「…そうね。でもユイカは…ナノハからの言葉を待っているわ。さあ。」
「うん…ありがとう、ミチルさん。」
ナノハはベッドのそばの椅子に座った
「…ごめん、ユイカ。ユイカにこんなこと思わせちゃうなんて。私はユイカがいない世界なんて想像出来ない。だって、ずっと一緒にいたもん。あの時、ユイカが助けに来てくれなかったら、私はあのまま、水の中で朽ち果てていたと思うんだ。だから…自分のことをそんなに締めあげないで…苦しまないで…」
ユイカの空白の書が風で音を立ててページがめくれた
「…ここ、は?」
「…ユイカ!」
「大丈夫?ユイカ。過去記憶を発動して…あなたは熱を出していたのよ。」
「…のんは?」
「逃げられてしまったわ」
「違う、そうじゃない」
ユイカは何故か灰色に戻っている目で呟いた
「あの人は…今どこにいるの?」
「ユイカ?」
「ねえ、お姉ちゃん。どこにいるの?のんは…」
「…外に逃げていったよ、私がカオス・のんの所に案内する」
その頃ベラとミチルはユイカの異変に気づいていた
(ユイカ、何だか変な感じじゃない?)
(ええ、ユイカはいつもこんな静かじゃなかった)
(それにカオス・のんには1人で立ち向かうことが出来ないくらい知ってる)
(ええ、それにあの灰色の瞳…あれは…)
(目覚める前には水色だった…水色の示す意味は自由…灰色…灰色の示す意味は色を失った状態、色を失った状態…それから言えることは…)
((ユイカは…今は…!?))
「ナノハ!私も行く」
「大丈夫!私は1人で大丈夫だから
それに、もう気づいてるから」
「もう気づいてるからって…」
「だから大丈夫、ここを落とさない様にするんでしょ?私は大丈夫だから」
そう言ってナノハはユイカと共に行ってしまった
「今、あたし達に出来ることは…」
「ここを守る、それだけよね、みんな?」
レイナが声をかける
「「うん!」」
(そうよ、アリスの運命を失った私に出来ることは、これだけだもの…)
一方その頃、ナノハ
「…ユイカ、行っちゃったな…」
「そしたら、私にできることは、ユイカを元に戻すこと」
「それだけしか、道はないから」
「私は、ユイカがいなかったら今頃どうしてたんだろう」
「…ラン、どこにいるんだろ…」
「ホントの名前は違うみたいだけど…」
「また、一緒に旅したいな…」
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