僕らの思い出。〈短編集〉２ (ページ9)

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隆くんの寝坊＆観察日記。１ページ9

黒*紫+赤*黄+緑*青(橙視点)

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朝起きて時計を見ると20分ほど寝坊していることに気付く。

慌てて身支度をして適当にパンを口へ放り込むと、ほぼ同時にマネージャーからの着信。

喋るのが難しかった為、口をモグモグさせながら折り返し“すぐ下へ降ります”とメールをしながら玄関を出てエレベータに乗り込んだ。

１階に着き、扉が開くと同時にエレベータを飛び出しエントランスを抜け、マンションの近くに止まっている車までダッシュ。

「おっ、おはよーございますっ。お待たせしてすみませんっ！」

息切れしながら車のドアを開け、挨拶と謝罪をしながらペコリと頭を下げてから車に乗り込んだ。

「ギリギリ間に合いそうなので大丈夫ですよ。次は気を付けて下さいね。」

そのマネージャーの言葉に、

「はいっ、すみませんっ。以後気を付けますっ！」

反省の気持ちを込めつつ元気よく返事をする。

すると優しいマネージャーはふっと笑ってから車を走らせた。

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テレビ局に着き中へ入るとタイミング良くエレベータが来たので慌てて飛び乗る。

時計を見ると集合時間の10分前だった。

運良く道路が混んでいなかったのとマネージャーの近道のお陰。

「ホンマにごめんなさい。ありがとうなあ…。」

情けない声でマネージャーに言うと、何も言わず笑顔で背中をポンっと叩いてくれた。

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エレベータを降りて足早に楽屋へ向かう。

「ギリギリでごめんちゃいっ！」

なんていつもの調子で言いながら楽屋のドアを開けると目の前に飛び込んできた光景に思わず目を丸くした。

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