僕らの思い出。〈短編集〉２ (ページ2)

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「ひなちゃんのこと泣かせなくないのに、泣かせてもうたなあ…。」

「ぐずっ、きみのアホ…っ。」

「ごめんな？…こんな俺の傍に居ってくれてありがとう。大好きやで、ひなちゃん。」

なかなか聞けない甘い言葉と共に、白くて綺麗な指が涙を拭い唇にキスが落とされる。

「…っん、ちょっ、きみっ、誰かに見られるっ。」

「堂々と見せつけたったらええわ。」

「…っ…あかんよっ。」

「嫌や。少しでも、ひなちゃんの心満たしたりたいもん。」

「…っ、アホや。ホンマに…。」

「アホでもええから…。」

この人は急に男前スイッチが入るから困る。
俺は心臓がバクバクいって息苦しいくらいやのに…。

きっと顔、真っ赤になってるんやろうな。
目の前にある顔が優しく俺を見つめてるんやもん。

「…きみ…っ。」

「ひなちゃん、これからも傍に居ってな？」

「あ、当たり前やろっ。」

「…ふっ、ありがとな。」

照れくさそうに笑うと俺にもう一度口付けてから、きつく抱き締めてくれた。

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