時とわ。 光 切 ページ3
光
思い出せない。
俺がいつ生まれたか。
親の顔や友達も。
数学の公式も。
時とはどういうものなのか。
全てを忘れてしまうのか。
なぜ、芝生に寝転がっているのか。
分からない。
『おーい。君、大丈夫？』
俺の顔を覗くこの人。
だれだ？
薮「こんにちは。俺は薮宏太。」
「宏太…。」
薮「いきなり呼び捨てかい！まあ、いいけど、名前はなんて言うの？」
名前…。
人に名前がついているという認識はある。
だけど、
「分からない。」
薮「へー、じゃあつけてあげる!!光！お前は光だ！」
光「俺、光ってないよ…。」
薮「いいの。光はこれから、光るから。」
何、言ってるんだ、この人は。
光「未来なんて、分かるの？」
薮「分かるよ。君の未来は。」
光「変な人〜！」
薮「あ、笑った！おい、光！お前は光！…光る前に光れ！！」
光「何、言ってるのさ。」
薮「とにかく、今日は遊園地に行こう!!」
立たされ、駅まで走った。
薮「君の思い出も思い出してあげる!!」
とことん不思議な人だ。
薮「光は昨日、動物園に行ったんだー。
一昨日はオシャレなレストラン！」
光「あってるかわかんねぇよ。」
薮「あってるよ。
いつも光の思い出の中には、男の人が…。」
薮はうつむいた。
光「どうしたんだ？」
薮「…ううん。なんでもないよ。」
訳が分からない。
けど、安心できる。
楽しい人だな。
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紫いも(プロフ) - 悲しい文章ですね(>_<)でも、とても読みやすかったです。今後の作品や続編にも期待しています｡頑張ってください。 (2018年1月14日 16時) (
レス) id: f731ce76e1 (このIDを非表示/違反報告)
杏加音 - もう続き書いてくれないんですか？何気楽しみにしています(笑)勝手に待ってることにしますね← (2016年5月4日 17時) (レス) id: ebdd3d390c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：E.D.P.飛んで火に入る夏の君 | 作成日時：2016年4月16日 11時
