機械仕掛けの私達 (ページ7)

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喫茶店にて、ページ7

席についてぐるりと回りを見回す。
ファンシーな店内

可愛くて美味しそうな食べ物

…ネコミミの着いたカチューシャとフリルをたっぷりとあしらったエプロンを着たメイドさん。

そう、そこは所謂メイド喫茶、だったのだ。
お嬢様の一言に固まった私達をそのメイドさんは私のこと、ゆうゆうって呼んでくださいねぇと言いながらお店の奥に押し込んだ。

そして今に至る。
「ごめんね、A…。」
「いや…うん、大丈夫…。」
気まずそうに謝る萌衣に手をふりながらそう返す。傍目から見ても異質な重苦しさにさすがに機械の私でも不味いと思ったのでメニューを取り出し、萌衣に何食べようかと尋ねた。カラフルで美味しそうな料理の写真に萌衣が目を輝かせる。
「えっと…えっとね！オムライスにしようかな！」
「じゃあ私もそれで。」
ちりん、とベルを鳴らしてメイドさんを呼ぶ。それから呪文のようなオムライスの正式名称を唱えるとかしこまりました～とにこやかにメイドさんは去っていった。機械の口でも噛みそうになった…。周りの審神者の皆様は噛まないんだろうか…？
オムライスが来てメイドさん曰く《オムライスがもぉっと美味しくなるおまじない》をメイドさんと一緒にする。照れて笑うはずもなく淡々とこなす私にメイドさんはあれこれ気遣ってくれたので取り敢えず口角を上げる。同時にオムライスに毒物などが入ってないかスキャンする。
「いただきまーす。あ、美味しいねこれ！」
「いただきます。…、美味しい。」
こうやって食事をしているときもふと疑問に思うことがある。

何故私達には味覚が備わっているのか？

一般人に擬態するため、とはいえここまでする必要があるだろうか。とはいえ、女巫のデータは極秘で脳内のコンピュータでいくら検索しても出てくるわけがないのだが。
暫くスプーンを黙々と動かしているとお皿が空になったのでごちそうさまと手を合わせる。萌衣も食べ終わったようで、出ようかと声をかけた。