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光が途切れて目の前に日本家屋の門が見える。
中からは禍々しい気が漂って何とも嫌な感じだ。
『嫌な感じだな。奴さん、一体どんなことをやらかしたんだ？』
『そうですね。資料によると演舞と称しての刀剣男士同士の殺し合い、夜伽の強制、などですね。』
『…いつもながら胸糞悪いな。』
『そうですか？』
胸糞悪い、どういうことなのだろう。いつものことなのに。
そう思いながら、特殊なステルス機能を起動させて本丸内に忍び込んだ。
そのまま一直線にケガレの一番強い場所へ。
大体審神者もそこにいる。
予想はアタリ、だったようだ。下品な喘ぎが障子を隔てて聞こえてくる。ステルスを解いて障子を開けた。
「なっ何者だ！？」
咄嗟に着物をあわせながら、喚く審神者。回りにはぼろぼろの刀剣男士が四人。無理やり奉仕させられていたらしい。
「政府の特別部隊、女巫。違反審神者を処理しに参りました。」
「しょっ、処理…。いや、いやぁぁぁ！！三日月、鶴丸、鶯、一期！あいつらを殺して！」
言霊で縛られた刀剣男士がぎこちなく刀を構えて襲ってくる。振り下ろされる刃を弾き返し、私は一気に短刀の足の速さで刀剣男士の壁を抜け、後ろの審神者に迫る。
「萌衣、任せた！」
「おっけー！」
体の表面でばちばちと霊力の弾ける感じがする。どうやら結界を張っているらしい。
でも結界では私は止められない。なんたって政府謹製の人形だから。このくらいは予測して、私には対霊力の塗料が塗布されている。勿論、刀剣男士と繋がるために手の表面は塗られていないが。
「いやっいや来ないでぇ！！何で止まんないのよぉ、結界張ってるのに！
止めてｪｪｪ、死にたくないｨｨｨ！」
ｻﾞｼｭ
胸への一突きで審神者は沈黙した。
同時に刀剣男士も自由になったようでどさっと崩れ落ちる。
「すまなんだ…。女巫よ。」
「はぁ…。仕事なので。」
「…貴女の手にあるのは、私の弟刀ですね…。
こんな情けないところを見せて恥ずかしい…。」
『そんなことねぇよ。
その状況で一兄はやれることをやったんだ…。』
一期一振さんの一言に中の薬研さんが呟く。
もうすぐ政府の役人がくる、ということを伝えて本丸を出た。
「やな本丸だったね。」
「そうかな、萌衣。いつものことじゃない。」
「…うーん、何て言うかな。中の山姥切さんの感情が流れ込んでくるっていうか同調するっていうか。」
「…ふーん。」
政府に帰ると昼休みのベルがスピーカーから響いた。
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作者名：きつね | 作成日時：2019年5月12日 16時
