【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して２【煉獄杏寿郎】

捌拾陸 ページ41

「兄上、義姉上！

お手伝いにやって参りました！」



懐妊の事を手紙にしたためて煉獄邸に送った数日後、千寿郎君がやって来た。

私の体を気遣って、槇寿郎さんが

「…行ってこい。」

と言ってくださったらしい。



千寿郎君は、大きな荷物を持って来ていて、

「それは何？」

と聞くと、手際よく篝火を組み立てて

「煉獄家のしきたりなんです。

『観篝(かんかがり)』と言いまして、煉獄家の子を宿した義姉上に、今日から七日起きに、二時間程篝火を見て頂きます。

僕が準備致しますので、ご心配されなくて大丈夫です。」

と教えてくれた。




あ、何か見た気がする…

と思ったけど、黙って言う事を聞く事にした。

確かそれで、あの特徴的な髪色になるんだったと思う。





「あと、これをお持ちしました。」

そう言って、千寿郎君は薄い箱に入った物を差し出した。



何だろう？と、受け取って中を見ると

「…わぁ！」

思わず感嘆の声を上げる。



箱の中には、祝言で撮った写真が入っていた。



写真の中の二人は、ちょっと緊張した面持ちで、でもとっても幸せそうで、思わず口元が綻んでしまう。

みんなで撮った集合写真の方も、すごく良い笑顔でとても良い出来だった。



「あら？」

写真は製本してあるものと別に、何故か三枚も焼き増ししてあり、不思議に思う。


…みんなに配るのかな？

と思ったけど、それだと枚数が足りない。



「これ、焼き増ししてあるみたいなのだけど、何か聞いてる？」

と、千寿郎君に尋ねるけど、千寿郎君も知らない様子だったので、杏寿郎さんが帰って聞く事にした。

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