【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して２【煉獄杏寿郎】

捌拾 ページ35

胡蝶さんが訓練を抜けて産屋敷邸に行った。

珠代さん達が見つかり、共同研究をする為だ。



無惨を倒すための大切な要因の『薬』の研究が始まる。



以前は、刀鍛冶の里の戦いの後から共同研究が始まったけれど、今回はそれより早い段階で研究が始まったから、より威力が高い物となる筈だ。





老化の薬がより強く作用すれば、より早く無惨が弱る。

『透き通る世界』に入らずとも、無惨の弱点が目視できるはず……





そんな事を考えていると、訓練が終わってみんなが屋敷に戻って来た。

みんな訓練で汗びっしょりなので、お風呂に入ってから用意していたご飯を食べる。




気になっていたので、炭治郎君の所に行って聞いてみる。

「炭治郎君、お疲れ様。

あの…ヒノカミ神楽は連続で舞える様になりました？」

「何とか舞える様になりました。」

「…お父さんが見せてくれた、熊の見取り稽古は思い出しました？」

「はい、あの時は分からなかったけど…

あれが見取り稽古だったんですね。」

「遺伝した記憶…過去の記憶は思い出しました？」

「縁壱さんと出会った所は思い出したんですけど…」



縁壱さんの日の呼吸の型を見た事を思い出すのは、やっぱり無惨戦の時なのかもしれない。



「…日の呼吸の拾参ノ型は、ヒノカミ神楽の全十二の型を延々と繰り返す事なの。

無惨の心臓と脳を、その連続したヒノカミ神楽で斬り続ける。

それで、炭治郎君のお父様が言っていた『正しい呼吸をすれば朝までだって舞える』と言っていたの。


…きっと未来、過去の記憶の中で、縁壱さんが日の呼吸の正しい型を見せてくれるから、炭治郎君は一晩舞える様に頑張ってね！」


炭治郎君にそう言うと


「…前から不思議だったんですけど、Aさんは何者ですか？

何でそんな事を知っているんですか？」

と、聞き返されてしまった。



まぁ、不思議に思うのも無理無いんだけど。



私は迷ったけど

「…私は、未来から来たの。

皆を助けたくて。」

と笑って言うと、炭治郎君は目を見開き、そして鼻で息を吸って

「……俺、Aさんを信じます！」

と言ってくれた。

捌拾壱→←漆拾玖　☆*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す