【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して２【煉獄杏寿郎】

陸拾玖 ページ23

祝言当日の煉獄邸は早朝から賑やかだった。



台所ではお祝いの膳の料理の準備をお手伝いさんがやっている。


私は髪結いさんがやってきて、日本髪を結ったり、お化粧したり、花嫁さんの準備で何かと忙しい。



…やっと着付けが済み、

「まぁ！

本当にお綺麗ですね！

三国一の花嫁さんだわ！」

と、着付けの人が褒めてくれる。




鏡の中の自分は、自分でないみたいだ。




三国一はどうか分からないけど、多分キレイに出来上がってる気がする。



招待客も着々と到着してる様で、会場の部屋の方から賑やかな声が聞こえてくる。





着付けの人が部屋を出て、一人になる。





「…煉獄 A…」

呟いてみて、顔を覆う。


キャーッ！破壊力高すぎるっ！


誰も居ない部屋で、一人悶てしまう。



まさか、こんな所でこんな風に結婚するとは思わなかった。

杏寿郎さんの真似をして

「よもやよもやだ。」

と言って、くすくす笑う。






「何が『よもやよもや』なんだ？」





パッと振り向くと、杏寿郎さんが開いた障子の向こうから、こちらを見て目を細めている。



黒い紋付き袴姿がとてもかっこいい！

思わず見惚れてしまう。



「そろそろ時間だ！

迎えに来た！


今更嫌だと言っても、もう逃げられんからな。


お嫁様、覚悟は宜しいか？」


杏寿郎さんは大真面目な顔でそう言うと、ニヤリと笑いながら私に手をさし出す。


私も笑って、

「旦那様も、ご覚悟なさって下さいね！」

と言って、その手を取った。

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