【鬼滅の刃】ハッピーエンドを目指して２【煉獄杏寿郎】

陸拾肆 ページ17

「わぁっ、綺麗っ！」


白熱球に照らされて、飴細工がキラキラと光っている。

リクエストに答えて作ってくれるらしいので、サンプルを見て、鳥の形をお願いした。


…杏寿郎さんの鴉に似ているから。


お店の人が、ハサミを使って器用に飴で鳥を形作る。


食べるのが勿体無い位だ。



槇寿郎さんと、千寿郎君にもお土産を買う。

槇寿郎さんが飴を咥える図を、ちょっと見てみたい(笑)





…二人並んで、焼き鳥を食べたり、うどんを食べたり。



「楽しいか？」

「はい！

とっても！！」

嬉しそうな私を見て、杏寿郎さんが微笑む。

「他に何か食べたいものはないか？」

「食べ物ばっかりですね。」

ふふふっと笑って、視線を巡らす。




「あっ」



視線の先に射的を見つける。

「あれを…」

「やりたいのか？」

「…いえ、

杏寿郎さんにやって欲しいです。」

「俺が？」



見に行くと、商品の棚に玩具だったり、お菓子だったりが並んでいる。

それを銃で狙って落とすのだ。


「どれが欲しいのだ？」

「どれでもいいんです。」



玩具が欲しいわけではない。

かっこいい杏寿郎さんが見たいだけなんだから。



「ふむ！」



私は、銃の先端に玉を込める杏寿郎さんをじっと見つめる。



杏寿郎さんの表情が変わって、的を狙う瞳が、一瞬獲物を狙う鋭い目に変わる。


引き金を引く。



パン！



乾いた音と共に、玉が商品に当たって奥へずれるけれど、惜しいかな玉が軽いので落ちはしない。



「うーむ！

飛び道具は苦手でな！！」

杏寿郎さんはバツが悪そうな顔をして、次の玉を込める。



パン！



寸分違わす、同じ場所に玉が当たる。




ポトン




「おめでとうございます〜っ！！！」

お店の人がベルを鳴らしながら、落ちたキャラメルを拾って持って来てくれる。


周りで見物していた人も拍手をしてくれる。


杏寿郎さんは、照れ臭そうにそれを受け取り、私に

「これで良かったか？」

と、私にくれた。



私は

「はい！」

と、答えて

「すっごく、カッコ良かったです！」

と、杏寿郎さんの耳元で言った。

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