目覚めて、笑って、パンプキン。2【💚💜❤️💛🚢】 (ページ1)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:2,481 hit

緑眼の猫ページ1

・

彼女は、本当に心の優しい人だった

「あら、お庭まで遊びにきたの？珍しい」

「ふふ....少し待っててね、もうすぐお手入れが終わるから。貴方の分のキャットニップと麦の葉も摘んで帰りましょう」

気儘な俺にも優しくて、出会ってからずっと....本当にずっと可愛がってもらった。時には自分の食事よりも俺の食事を優先してくれたし、森で怪我をして帰った時は甲斐甲斐しく治療してくれた。....それは、麓の村人に対しても同じだった。

「お礼なんて良いんですよ、この調子だと畑仕事をするのも当分は厳しいでしょう？ですから、お婆さまはもっとご自身の心配をなさって？自分で食べるほどの野菜なら、そこの庭で採れていますから」

「あらあら....風邪かしら？まずはこれを飲んで。少し苦いけれど我慢してね.... はい、お母様。このお茶と同じものです、ひと匙を沸かして、しばらくの間は朝晩飲ませてあげてください」

村から少し離れた森の中、泉の近くの小屋で俺たちは暮らしていた。穏やかな日差しが入る庭は寝心地が良くて、木漏れ日の中でさまざまな薬草が育っていて。村人たちも彼女の作る薬はよく効くからと、体調を崩すたびに訪れていた。

——でもある時から、村の奴らはおかしくなった。

「彼女はきっと魔女なんだわ、あの頬の大きなアザは悪魔との契約のせいで....」

「....あの家の黒い猫はきっと使い魔だろう、あの森にはカラスも沢山住んでいるし」

村に王都からの薬売りが来るようになったのが始まりだった。助けを求めて訪れては、彼女の施しに感謝していたはずの村人たちが....対価を求めなかった彼女を訝しんだ。
俺自身も村へ降りれば石を投げられた。その度に彼女は俺の傷に薬を塗ってくれて、なぜか自分のせいだと謝った。
それと同時に何度も何度も言ったのだ。貴方だけは守るから、と。

・