恋の罠【綾部喜八郎】

9 罠 ページ10

三木子は、浜くんの隣で 私は、喜八郎くんの隣で撮ることになった。
いや、そこは男女別で良くないかと思ったが クラス別にしたかったらしく仕方なくこれになった。

変な緊張していたせいか、笑い方が変になる。
「「はい、チーズ」」
パシャリ

私達は、１回撮った写真を見た。
お母さんは、好評だった為撮影が終了するかと思いきや喜八郎くんが意外なことを言った。
「A……笑い方おかしい。」
私は、ギクッとした。
まさか、喜八郎くんに指摘されるとは思わなかった。
喜八郎くんが言った途端皆確かにーって言った。いや、絶対さっきまで思ってなかったでしょ。
私の、変な笑顔で写真を撮り直すハメになった。
喜八郎くん案外こうゆうこと気にするタイプなんだーと思った。
私達は、看板前に戻った。
「A、なんでそんな引きつってんの。」
「え……いや、その。」
「もしかして、僕が近くにいるから？」
私は、図星を突かれて ウッとなった。
「やっぱり、入学式の時もそうだったよね。僕の顔見る度に焦ってる。」
なんか、ごめんなさい。
「………。」
気を悪くしちゃったのか。
「えっと……でも、私 喜八郎くんのことが嫌いな訳じゃなくてなんというか男の子と接するのあまり慣れてなくて。」
私は、何とか喜八郎くんの気を悪くしないようにした。
「ば〜か。」
！？
えっ、えぇ〜〜！？！？

「君が僕のこと嫌いじゃないことぐらい分かってるよ。」
は、はぁ………。

「ほら、笑って。僕も写真撮るの苦手だけど頑張ってるから君も頑張ってよね。」
喜八郎くんは、無理矢理私の口角をあげようとした。
「えっ、ちょっ！やめっ アハハッ。」
「ほら、その笑顔。」
あっ……。

「じゃあ、その笑顔で写真撮ってよね。」

少し、キツイこと言ったり 変わってる所もあるけど、私が思ってるより、喜八郎くんは 優しいのかもしれない。

パシャリ

私の顔は、さっきより良い笑顔だった。
何となく、喜八郎くんの笑顔もさっきより明るい気がする。


浜くん、三木子にくっつきすぎじゃね？

10→←8 写真撮影

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