恋の罠【綾部喜八郎】

4 出会い ページ5

わぁ……。凄く、顔が整ってる男の子だ。

「ねぇ、聞いてる？カバン退けてほしいんだけど。そっちの席に行きたいのに君のカバンが邪魔だよ。」

「あっ、すみません！すぐ退けます。」
つい、見惚れてしまった。

「ありがとう。」
男の子は、前を通って隣の席に座った。
いや、隣………？？

「ふわぁ……眠たいなぁ。」
ヤバいぞ。美男が隣に座ったぞ。
私は、今にも隣に聞こえそうなくらい心臓がバクバクした。

落ち着けA〜〜。喋りかけてこないから大丈夫だ。

「ねぇ。」
私は、ドキリとした。
「なに？」
平常心を保とうと焦っている。
「カバンから、水筒が落ちてそっちに転がっちゃったから取ってくんない？」

「あぁ、はい。」
私は、水筒を取って渡した。
「ん、ありがとう。」

私は、顔が合いそうだった為すぐに普通の姿勢に戻した。

何故だ。何故こんなにも緊張してしまうのか。
あの、浜くんと何が違うんだ？三木子がいたから緊張しなかったのか。

顔が良い男ほど、なんか喋りづらいな。
いや、浜くんの顔が良くない訳ではないんだけど
なんだろう放つオーラが違うというか、なんというか。

私は、謎に喉が渇きカバンから水筒を取り出しお茶を飲んだ。

しかし、渇きは無くならなかった。

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