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32 帰り道 ページ33

「「……。」」
私達は、何も喋らず帰宅している。しかも、歩くペースがやけに遅い。
喜八郎くんは、何故 一緒に帰ろうと誘ったのか。
この空気をどうにか……ツッ。

「ねぇ喜八郎くんは、どうして私と帰ろうと?」
すると、喜八郎くんが小声で
「ちょっと、待ってて。あの後ろの先輩が通ってからね。」
と言った。
私は、後ろをチラリと見た。
そこには、二年生カラーのカバンを背負った先輩がいた。
あぁ、この先輩に話を聞かれたくないから歩くペースを遅くしてまだ話さないんだ。

先輩がコイツらチンタラ歩いてんなと思いながら私達の横を通り過ぎた。

「でね、立花先輩のこと話したいんだ。」
喜八郎くんが、喋った。
私は、いいよっと返した。
「先輩はね、僕と一緒の小学校で中学校も一緒だったんだ。」
「あの人は、昔っからなんでも完璧だった。テストも満点で、何事も完璧にできた。」
「それを、見て先輩の同級生や後輩達は、カッコイイと思うんだ。まぁ、僕もその一人だったんだけどね。」
そうだったんだ……。更に喜八郎くんは、話を続ける。

「小学校の時は、い じめなんてなかった。でも中学校の時に部活があったんだ。その時も先輩は、茶華道部の部長だった。僕も先輩に憧れて茶華道部に入った。他の皆も憧れて入った。」

「先輩は、誰よりも完璧だった。生け花だって中学生でもできないレベルのものを作り上げた。沢山の部の功績はほぼ先輩のものだった。皆、最初は、憧れてたけど いつしかそんな先輩のことを妬むようになった。」

「先輩が、何か教える度に後で陰でどうせ馬鹿にしてるんだろとか皆ヒソヒソ言ってた。いつしか、皆は 部活をサボるようになった。僕は、それでも先輩の後を着いて行った。」

「そしたら、被害は僕にまで来た。部員の大半は、女子だった。とても酷い悪口を沢山言われた。
最初は、あんなに目をキラキラ輝かせてたアイツらは、先輩の嫌な所を知ると一人が悪口を言って そして、どんどん広まり皆先輩の悪口を言うようになった。」

「先輩といつも一緒にいる、僕にまで悪口を言うようになった。自分で言うのもなんだけど 僕は、女子にチヤホヤされてた。でも、先輩と居ただけで嫌われた。それ以来から、女子が苦手になった。」

私は、ただただ話を聞いていた。

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設定タグ:忍たま , 現パロ , 綾部喜八郎   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみに待ってます! (8月14日 21時) (レス) @page40 id: bcec8c1963 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 続きが読みたいです。 (2020年4月10日 13時) (携帯から) (レス) id: 02498dbfba (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺 - 続きめっちゃ気になります!毎日楽しみに待ってます! (2019年7月11日 19時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
名無しの妖怪(プロフ) - 面白いです!もう色々と設定とか大好きです。綾部くんと孫兵くん可愛い。立花先輩美しい。 (2019年6月18日 4時) (レス) id: 6c6e64c690 (このIDを非表示/違反報告)
pukipukibayo(プロフ) - ハイビスカスティーさん» 読んで下さりありがとうございます。ふふふ それは、後からのお楽しみです。これからも、気長に更新していくのでどうか恋罠を宜しくお願いします。 (2019年5月4日 9時) (レス) id: e62a57e8a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pukipukibayo | 作者ホームページ:http://aka  
作成日時:2019年5月1日 16時

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