鴉の学校と廃れた花園2 (ページ8)

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ガソリンスタンドを後にしてから多摩雄はずっと不機嫌だ
なにを言っても生返事
声かけてきた割にはあたしより先歩きやがる
テメェ今からうち来んだろ、なんだその態度、訳わかんねえ

『おい、何拗ねてんだよ』
芹「拗ねてねえよ」
『嘘つけ、明らか不機嫌じゃねえか』
芹「普通だ」
『んだよ、文句あるなら言えよ』
芹「無えつってんだろ、しつけえぞ」

完璧八つ当たりじゃねえか
そんなみえみえの嘘ついて、あたしがはいそうですかと納得するとでも思ってんのか

『…チッ、気分悪い』
芹「おい、どこ行くんだよ」
『関係ねえだろ、ほっとけ』

イライラしてるこいつと一緒にいたくねえ
憂さ晴らしに飲みにでも行こうかとすると、腕を掴まれそれすら阻まれる

芹「1人でフラフラすんじゃねえよ」
『ほっとけつってんだ、テメェの機嫌取りするほど暇じゃねえんだよ』
芹「そりゃテメェがっ…」

言いつぐんでその先を言わねえ
やっぱ文句あんじゃねえか

『あたしが何だ、言ってみろよ』
芹「テメェが…危なっかしいからだよ！」

何だ今日は、至近距離でデカい声ばっか聞いてる気がすんぞ
鼓膜破れたらどうすんだ
つかあたしが危なっかしいのなんて今に始まったことじゃねえのに、何そんな怒ってんだこいつ

芹「敵いもしねえのに的場なんかに喧嘩売りやがって！無茶すんなって何回いやわかんだ！」
『売ってねえだろうが！つか売られねえようにああ言ったんだよ！』
芹「それが無茶だつってんだ！」
『じゃああのまま舐めた態度取らせろって言うのかよ！』
芹「そうじゃねーだろ！」
『どうしろってんだ！』

道の往来で怒鳴りあうなんて、とんでもなく迷惑な奴らだ
一息ついて視線が合うと、俯瞰で見えてお互いバカらしくなる
何回目だこの言い合いすんの、つかこんなとこで何してんだあたしらは

芹「…帰るぞ」
『…お前のうちじゃねえだろーが』

あたしの腕を掴んだまま引っ張って行く
馬鹿力が、痛えんだよ