鴉の学校と廃れた花園2 (ページ49)

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鈴蘭で待ってんのも変な話だからとうちで暇を潰す
あいつらを送り出してから1時間は経った
今頃大乱闘の最中だろう
アスカは余程心配なのか、数十分置きにおんなじことばっか聞きやがる

明「…どうなってんだろう」
『知らねえよ、そんなに気になんなら参加してこい』
明「バカ言わないで、あんたじゃないんだから」
『…お前人のこと貶さねえと死ぬのか』

結果なんてあたしが知る由ねえ
つかそんなもんわかりきってるだろ
今にも傷だらけのバカ達が得意げな顔して帰ってくるさ
頂点の座はそう簡単に揺らがねえ

『多摩雄と源治が組んで負けるなんてありえねえよ』
明「そうじゃなくて、無茶苦茶してないか心配なの」
『いいじゃねえかそれでも、こんなテンション上がる祭りそうそうねえぞ』
明「だから言ってんの」

あいつらにしちゃ傷の数は男の勲章
そりゃ時生のことは気がかりだけど、あいつが出てく時の顔を見りゃそんな心配すんのはむしろ失礼だ

『まあ黙って待ってろ、そのうち帰ってくる』
明「ほんと毎回思うけど、よくそんな余裕でいられるよね」
『そりゃお前…多摩雄が任せろっつったんだから…』
明「無償の信頼ってこと？見せつけてくれんじゃない」
『すぐ茶化すなバカ』

そう言った側から鳴るインターホン
多摩雄だとしたらいつも無断で入ってくんのにどうした？

玄関に駆け寄りドアを開けると、爽やかとは言えねえ風貌の男
待ち侘びた傷だらけの姿に、柄でもなく胸が高鳴った

芹「よお」
『ハハッ、ひっでーツラ』
芹「人のこと言えねぇだろうが」
『時生は…元気そうだな…って、源治？』

予想通り得意げにニヤリと笑うその隣には、こいつの相棒と意外な訪問者
顔が腫れ上がってパンダみてえになってるから一瞬誰かと思ったが、多分源治だ

滝「…よぉ」
『お前やられすぎだろ、男前が台無しじゃねえか』
滝「うるせえよ」

こいつらが一緒に行動するなんて
珍しいなんてもんじゃねえ、奇跡だ