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西日が強くなる時間、アスカと向かった鈴蘭の校門には、気合い十分の生徒がちらほら
ただ、中心にいるはずの刈り上げ男の姿はまだない
明「全然いないじゃない、人数」
『ああ、みてえだな』
明「これでほんとに突っ込む気？滝谷のやつ」
『さあな、本人がいねんじゃ確認のしようもねえよ』
源治には悪いがこうなることは目に見えてた
昨日の演説が多少効くかと思ったが、カラスがそう簡単に群れるはずなかったか
『よお時生』
辰「よおAに、…アスカ」
明「何よ、気まずそうな顔して、来ちゃまずかったの？」
辰「いや、そうじゃねえけどよぉ」
『心配すんな、約束通り説得してやったから』
明「説得も何もないでしょーが」
『細けえやつだな、ほら、行ってこいよ』
色々と積もる話のある2人を置いて、定位置のソファ、多摩雄の隣に腰を下ろす
芹「危ねえつっただろA」
『今更何言ってんだ、いつも通りだろ』
芹「だから再三言ってんだろうがバカ」
『…校門にちらほらいたぜ、GPSのやつら』
芹「ちらほらってことは人数集まってねえんだな」
『ああ、あれじゃ鳳仙叩くどころの話じゃねえよ』
芹「そうか」
そうかって…それだけかよ
多摩雄はバカだけど上に立つ人間として言えばバカじゃないし、無情になれるほど冷たいやつでもねえはずだ
何を待ってて、何がしてえんだろうな
多摩雄の考えが読めないまま数分すると、顔も知らねえ生徒がバタバタと走ってきた
多分芹沢軍団の下っぱだ
話を聞くとこいつは、GPSの様子を伺っていたらしい
時間になっても結局人数は半数にも満たず、源治は解散宣言をしたあげく仲間割れして、1人学校を出ていったと言う
こいつからすりゃそう見えるだろうが、そりゃ仲間割れじゃねえ
『あのクソバカ、ほんっと考えなしの無鉄砲だな』
芹「ああ…、滝谷は1人で突っ込む気だ」
戸「こうなったら滝谷が負けた後でうちが鳳仙を叩こうじゃねえか」
辰「…源治は鈴蘭背負って動いてんだぞ」
戸「勝手に背負ってるだけじゃねえか、鈴蘭の頭は芹沢だ」
食い違う意見を無関係な立ち位置で傍観してると、軽い挨拶と共に久しぶりの顔が現れた
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作者名：桜 | 作成日時：2024年2月29日 8時
