鴉の学校と廃れた花園2 (ページ43)

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『おーす』
芹「あ？A？」
戸「Aじゃねえか、またなんの用だ」
『なんの用とは冷てえやろうだな勇次』

溜まり場にはいつもの面子が揃い踏み
放送は全員が聞いてたみてえだな
時生との予定を今日にしといてよかった

辰「わざわざ来なくていいつったろA」
『いーじゃねえか別に、細かいこと言うな、とっとと行こうぜ』
芹「なんだお前ら」
『悪いな多摩雄、今日は時生とデートなんだ』
辰「お前がデートとか言うな、気色悪いだろ」
『テメェ…もっぺん頭かち割ってやろうか』
芹「どこ行くんだよ」
『あー？どこでもいいだろうが』

やいやいうるせえ外野を無視して各自バイクを取りに行く
向かう先は昔世話になってた用品店
空手やってたとき父さんに連れられてよく来てた

『どれにする』
辰「あんまりたいそうなのはいらねえなぁ」
『ちゃんとしたやつじゃねえと意味ねえだろ』

目的は頭守る為のヘッドギア
あたしとしては無茶して欲しくねえけど、時生の意思も尊重してえ
これが最大限の譲歩だ

『買って早々使うことになりそうだな』
辰「聞いてたのか、さっきの」
『ああ、かっこつかねえ喋り方だった』
辰「間違いねぇ、人にもの頼む態度じゃねえよな」
『だから人望ねんだよあいつ』

多摩雄がどう動くか知らねえけど時生は行く気だ
源治とは中学の時のツレらしいからな、あんな風に言われちゃじっとしてられねえだろう

『多摩雄は？なんか言ってたか』
辰「何も、今んとこ動くつもりは無さそうだぜ」
『そうか…、何考えてんだろうなあいつ』

源治を助ける義理はねえだろうが、鈴蘭の名前コケにされて大人しくしてるなんて多摩雄らしくねえ
なにより、将治をあんな目に合わせた相手を放っておくとは
あたしが口出すことじゃねえのはわかってるけど期待外れもいいとこだ

『あたしでよければいつでも飛んでってやるぞ』
辰「馬鹿野郎、1番頼まねえよ」

源治と多摩雄、それに鳳仙
多方面の間に挟まれるなんて
頭割れるのが先かハゲるのか先か、時生も大変だな