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多摩雄達は飽きもせず賭け事に夢中だから将治から雑誌を借りて暇を潰す
そもそも呼び出したのはお前だっつーのに勝手なやつだ
どうせうちで晩飯済ますつもりなんだろう
筒「Aさん、整備士なるってマジっすか？」
『あー、まあその予定、多摩雄に聞いたのか』
筒「はい！俺バイク欲しいんすよねー」
『バイクいいぜ、どこでも行ける』
温「なんだ筒本、買うのか」
筒「そのつもりっす！Aさんのやつかっけーっすよね！」
『そうだろ、貰いもんなんだ』
17の誕生日に佐野さんにねだって買ってもらった愛車
15の時にせがんだら危なっかしいって速攻拒否されたけど粘り勝ちした
父さんと趣味が同じだって笑ってたな
雑誌を見せ合いながら車体の話とかエンジンの話をしてると
誰かが鉄線を突き破って倒れ込んできた
『あ？』
温「なんだ？」
勢いからして追われてる風だったが、逃げ場所がこことは
運の悪いやつだなと思っていたら、あげた顔に見覚えがあった
川西さんだ
出てきてたのか
つーことは追ってんのは…
予期せぬ訪問者が誰か理解したと同時に鳴海と会った時のことを思い出して嫌な予感がする
遅れて登場した奴らを見て、その予感が的中した
グレーの制服にスキンヘッド
鳳仙学園だ
結構な人数連れてきてんな、まあそりゃそうか
幹部は…熊切と芝山か
怒号をあげながらワラワラと詰め寄ってきて、その場にいた全員が立ち上がる
鳴海の言葉を信じるなら何事もなく収まるはずだが
いかんせん目当ての川西さんがここにいる
めんどくさいことになりそうだな
『アッコ、あたしから離れんじゃねえぞ』
温「舐めんな、お前に守ってもらわなきゃいけねえほど低レベルじゃねえよ」
さすがアッコだ、ことの重大さをわかってる
素直に言うこと聞かねえのはいただけねえがな
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作者名：桜 | 作成日時：2024年2月29日 8時
